2013 Fiscal Year Annual Research Report
禁止令を視点とした小・中学生の不適応行動への支援法の検討
Project/Area Number |
24700724
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
山田 浩平 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (60439304)
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Keywords | 禁止令 / 不適応行動 / 自我状態 / 支援法 |
Research Abstract |
本研究は未成年者の不適応行動(不登校、いじめ、ストレスなど)における対応策を構築するために、幼い頃の周囲との交流のうち禁止令に視点をあて、①小・中学生用の禁止令を測定する尺度の開発、②小・中学生の禁止令の実情を把握、③禁止令と不適応行動及び自我状態との関連を究明、④禁止令を多く持つ者に対して具体的な支援の実施とその評価、の4点を目的とした。①尺度の開発については、Goulding et al.(1976,1980)によって報告されている13種類の禁止令について,仲條ほか(1989)が高校生を対象に行った研究を参考にして13項目を作成し、因子分析を行った。その結果、4因子が抽出され(成功否定, 感情否定, 存在否定, 対人関係否定因子)、Cronbachのα係数は成功否定α=.89、感情否定α=.87、存在否定α=.81、対人関係否定α=.80、禁止令13項目α=.84であった。②禁止令の実情については、国内の公立小中学生562人を対象に質問紙調査を実施したところ、禁止令の「Don’t make it(成功していはいけない)」は7割近くの対象者が持っていた。③禁止令と自我状態及び不適応行動との関連については、禁止令非保持群は自他肯定の型を示し、禁止令保持群は自己否定・他者肯定の型を示した。一方、禁止令と不適応行動との関わりについては、禁止令の4因子を目的変数、不適応行動を説明変数として重回帰分析を行ったところ、禁止令の「Don’t make it」を含む成功否定因子と感情否定因子は、不適応行動6種類すべてと関わりが認められた。④具体的な支援については、禁止令を持つ者に特徴的であった、自己を認識する能力と他人に自分の意見を伝えるコミュニケーション能力を高めるための学習指導過程を開発し、小学生に実施したところ、授業直後及び授業1ヶ月後に能力の形成が認められた。
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