2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700726
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大路 剛 神戸大学, 学内共同利用施設等, 講師 (90565285)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自然災害 / ボランティア / 安全衛生 / ボランティア災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災の被災エリアの宮城県、福島県、岩手県、青森県、および阪神大震災の被災中心部であった兵庫県の4年生大学に対して、①自然災害後救援活動に従事する学生ボランティアに対する支援部門の有無、および、②支援体制および労働安全衛生に対する認識についてアンケート調査を主に2012年度から2013年度以降を対象に行った。 対象となった地域の62大学のうち、ボランティア支援組織が存在するのは38大学、まったく支援体制が存在しないのは40大学であった。支援体制のアンケートの協力を得られたのは17大学であった。 17大学中、石綿作業や粉塵についての作業環境の事前調査を行っていた部門は7大学、作業管理の観点から破傷風への適切な予防対策を行っていた大学は4大学、石綿曝露の作業前の何らかの形での調査を行ったのは4大学、石綿曝露対策を行ったのは2大学であった。特定化学物質について事前の調査を行った大学は3大学で防護対策を行ったのは1大学のみであった。一方、東日本大震災の被災エリアへのボランティア活動時の電離放射線リスク評価は8大学が行っており、線量計を6大学持参していた。有機物質へのリスク評価は8大学が行っており、6大学が防護策を検討していた。 ボランティア活動の実質従事時間を把握していた大学は15大学であり、14大学が8時間までの労働時間であったが、1大学では12時間労働であった。ボランティア活動中の外傷など“ボランティア災害”は5大学で認められた。また、ボランティア活動後の不安鬱状態などのメンタルヘルスの異常を訴えた学生は6大学で認められた。 災害救援活動におけるボランティアについては、大学生においても支援体制は不十分であると考えられた。また、支援部門が存在している場合も体系的なリスクアセスメントが行われておらず、安全衛生の専門家の援助が望ましいと考えられた。
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