2013 Fiscal Year Research-status Report
ICTを活用した身体活動増強のための行動変容プログラムの開発
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24700728
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
上地 広昭 山口大学, 教育学部, 准教授 (60367084)
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Keywords | 身体活動 / スマートフォン / パソコン / 健康教育 / 行動変容 |
Research Abstract |
2013年6月に,昨年度に開発したICTを活用した身体活動増強プログラム「Active Lifestyle Campaign」を実施した.対象者は大学生68名であり,介入群36名および統制群32名に分けられた.プログラム実施後,プログラムの評価を行うために,歩数,運動セルフエフィカシー,および意思決定バランスについて,条件(介入群/統制群)×時系列(プログラム前/後)の分散分析を行った結果,介入群はセルフエフィカシーについてプログラム後に有意な増加を示したが,歩数については,両群ともにプログラム後に有意な減少を示した.この結果は,プログラムの最終週が期末試験期間に重なったためと思われるものの,本研究では,ICTを利用したプログラムの明確な効果は示されなかった. また,2013年10月には,同プログラムを企業勤務者向けに改良し,251名(「製造業」93名,「運輸業,郵便業」32名,「教育,学習支援業」37名,「医療,福祉」63名,および「サービス業」26名)を対象にプログラムを実施した.実施前後の一日の歩数および自己効力感について,産業分類(5つの産業群およびコントロール群)×時系列(プログラム前/プログラム後)の分散分析を行った結果,「サービス業」においてプログラム実施後に有意な歩数の増加がみられたが,自己効力感についてはいずれの群においても有意な変化は認められなかった.「サービス業」は日常的にPCを使用していると考えられ,この結果はプログラムが有効に活用されるにはメディアリテラシーと充実したPC環境が必要であることを意味しているのではないかと思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,2013年度には,対象者を変えて(大学生および企業従業員)プログラムを2回実施することができた.また,その成果については定期的に学会(日本体育学会および日本健康心理学会)や研修会(山口県健康づくりセンター運動指導研修会)で報告し,ICTを活用した身体活動増進プログラムに関する有意義な意見交換が行えた.ただし,現段階において本プログラムに関するいくつかの問題点が明らかになっており,これらの問題点をより詳細に整理する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度,本プログラムを実施し,対象者の利用頻度の高い機能と低い機能があることが明らかになった.そこで,2014年度は,大学生を対象に,再度,本プログラム「Active Lifestyle Campaign」を6週間実施し,プログラム要素(歩数のグラフ化,ブログ,目標設定,SNS,および個別メッセージなどの機能)ごとの有効性について調査を行う.これにより,プログラム中の有効な機能のみを洗い出し,より効率的なプログラムの開発を目指す.また,研究成果を学術論文にまとめ,学会誌で発表する予定である(本研究の成果については,すでに学術論文2本を投稿中である).
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度は計画通り予算を執行したが,端数として未使用額452円が生じた. 2013年度未使用額452円は,2014年度使用予定の「旅費」の一部に充てる.
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Research Products
(4 results)