2012 Fiscal Year Research-status Report
易転倒性高齢者の簡便な転倒回避能力のスクリーニング法及び改善プログラムの開発
Project/Area Number |
24700752
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山次 俊介 福井大学, 医学部, 准教授 (40311021)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロコモティブシンドローム / 転倒 / 老化 / 加齢 |
Research Abstract |
高齢者の要介護・寝たきり状態の直接的・間接的な原因となる転倒の予防は重要な課題である。転倒に関与する因子のうち、個人で改善可能となるのは身体機能因子(筋力、バランス、歩行・移乗能力)であることから、地方自治体で提供される転倒予防プログラムの中心はこれらの機能を高める運動である。身体機能因子を向上させても、「つまずき」や「スリップ」などの大きな外乱が生じると姿勢制御限界を突破し、転倒危険場面となる。この局面では転倒回避動作、つまり反射的な“とっさの一歩”(代償的ステップ)によって支持基底面を拡大し、いかにふらつきを制御できるかが重要となる。しかし、転倒回避動作は素早いステップ動作や姿勢回復能力を要求する難度の高い動作であることに加え、高齢者の日常生活において、そのような動作を行う場面もほとんどない。そのため、この動作自体ができない高齢者も多い。したがって、転倒回避能力の評価やその改善方法に取り組むことは容易ではない。そこで、本研究では、これらの高齢者にも対応した転倒回避能力のスクリーニング方法の開発、および転倒回避能力を段階的に改善するプログラムの提案を目的とした。 本年度は、課題1:素早いステップ動作能力と転倒リスクとの関係の検証、および課題2:簡便な転倒回避能力のスクリーニング計測装置を開発に取り組んだ。 課題1では、クロスオーバーを含めたステップテスト(Cross Step Moving on Four Stot Test:CSFT)を考案し、転倒経験群のCSFTが有意に遅延することを明らかにした。 課題2では、股関節方略によって姿勢偏位できる幅と足圧中心動揺を計測できる試作器を製作した。この機器を利用して150名を対象とした測定を実施し、データ分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画どおり研究を遂行し、それらに関する成果発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
3カ年計画のうち、1年が経過したが、概ね順調に進展している。昨年度に収集したデータ分析を進めるとともに、制作した計測器を利用して、転倒回避に関連する動作の成就度と股関節方略による姿勢制御能力の関係を明らかにしたうえで、改善すべき身体機能を明確にしていく。そのため、今年度も介護一次・二次予防対象高齢者150名程度に調査、測定を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
転倒回避スクリーニング計測装置の試作器は、当初見積りよりも安価となったため、次年度使用額が発生した。しかし、これらの試作器にはまだ改良が必要であり、次年度以降の研究費と合わせて改良費に当てる。
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