2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700754
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
森島 真幸 大分大学, 医学部, 助教 (40437934)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高運動性 / 脳内モノアミン / DNAマイクロアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から引き続き、SPORTSラットの運動時の心電図記録、および脳灌流サンプルの採集を行い、同時に以下の点について本年度は検討を行った。 これまでの心電図記録による心拍変動解析から、SPORTSラットの心拍数の制御が心臓自律神経活動だけでは説明ができない可能性が示唆されたため、心筋細胞の自動能に作用する未知の心拍数制御因子があることを考慮し、その因子と脳内モノアミンやその調節因子群が相互作用することによっても運動習慣が規定される可能性を考えた。そこで、本年度の事業では、SPORTSラットと対照ラットから心筋と脳(海馬・線条体)を採取し、RNA抽出の後DNAマイクロアレイ解析を行い遺伝子発現の差異を網羅的に解析した。SPORTSラットの脳海馬ではトランスサイレチンやcatechol-O-methyl transferase (COMT)などの脳内カテコールアミンの制御に関わる遺伝子群が有意に発現低下し、一方、神経栄養因子群(NGF, NT-3, BDNF)は有意に発現亢進していることがわかった。心筋(心房、心室)においては、細胞内カルシウム濃度の調節因子(L型Ca2+チャネルやNa+/Ca+ exchanger)の発現が有意に増加していた。これらの遺伝子発現変化は、通常であれば自発運動後に起こるものであると考えられているが、SPORTSラットにおいては、脳海馬、心臓において生まれつきこれらの遺伝子群が発現変化していることで、活動性を増大させ心筋の肥大を引き起こしている可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)