2014 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における食後中性脂肪に対する身体活動の役割:実験室から日常生活への展開
Project/Area Number |
24700763
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
宮下 政司 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (40447248)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 断続性運動 / 座位行動 / 食後中性脂肪 / 脂質異常症予防 / 閉経後女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】座位活動時間の増加は心血管疾患の罹患率を高めると報告されている。本研究は、閉経後女性における、断続性運動が食後中性脂肪値を低下させるか検討することを目的とした。 【方法】対象は運動習慣のない閉経後女性15名(年齢68.8±3.2歳)とした。参加者は、安静試行、断続性運動試行、連続性運動試行の3試行に1週間の間隔を空け参加した。安静試行では8時から16時の間座位安静とした。断続性運動試行では、1回1.5分、合計30分のトレッドミルでの歩行を9時から16時の間に計20回実施した。連続性運動試行では、1回30分のトレッドミルでの歩行を9時から9時30分に実施し、その後16時まで座位安静とした。静脈血を空腹時、食後2、4、6時間に採取した。 【結果】中性脂肪上昇曲線下面積は、断続性運動試行において安静試行と連続性運動試行と比較し低値を示した。(断続性運動試行4.73 ± 2.50 mmol・8h/L ;安静試行 5.52 ± 2.95 mmol・8h/L ;連続性運動試行5.50 ± 2.59 mmol・8h/L、 試行の主効果 P = 0.023). 【考察】閉経後女性において、断続性運動は安静試行および同量のエネルギーを消費する連続性運動と比較し、食後における中性脂肪濃度を有意に低減した。これらの結果より1回あたりの運動時間が短い活動であっても、累積することで一日の身体活動水準を高めることは心血管疾患の予防に有効である可能性が示唆された。
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