2014 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレス負荷時の骨細胞および骨芽細胞分化におけるmicroRNAの役割
Project/Area Number |
24700767
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
伊藤 智広 近畿大学, 農学部, 准教授 (30435854)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メカニカルストレス / microRNA / 骨芽細胞 / 骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,メカニカルストレス負荷を与えた骨芽細胞の分化および骨細胞の分化制御システムにmicroRNA(以下miRNA)がどのように関わっているのかについて検討した。マウス長骨由来骨細胞様株MLO-Y4細胞およびマウス前駆骨芽細胞株MC3T3-E1細胞に加圧空気培養システムによりメカニカルストレス1.5 MPaを1時間負荷し,各細胞からsmall RNAを回収した。その後,無処理細胞のsmall RNAを同様に回収し,東レ株式会社3D-Gene miRNA arrayに供し、メカニカルストレスによるmiRNA発現プロフィールの変化について解析を行った。その結果,骨芽細胞においては,メカニカル負荷処理により発現変化が8倍以上変化したmiRNAを120種同定した(発現上昇miRNA:84種、発現低下:36種)。このアレイ解析データをもとに変動したmiRNAの標的遺伝子をバイオインフォマティック解析により推定したところ,骨芽細胞が産生し,骨形成の促進作用の機能を示すsemaphorin 3A(sema3A)を標的遺伝子とする3種のmiRNAs(miRNA-195a-5p, miRNA-322-5p, miRNA-497a-5p)に着目した。これら3種のmiRNAsのmature型を骨芽細胞に導入すると,分化指標であるALP(アルカリホスファターゼ)活性が有意に低下した。さらに,3種のmiRNAsうち最も高い変動を示したmiRNA-195a-5pを導入した細胞ではメカニカルストレス負荷後の sema3Aのタンパク発現量が上昇しなかった。以上のことから,メカニカルストレス負荷後の骨芽細胞分化において特定のmiRNAsがsema3Aを標的にすることで一部制御していることが示唆された。骨細胞におけるメカニカルストレス負荷後のmiRNAの解析については現在引き続き行っている最中である。
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Research Products
(2 results)