2014 Fiscal Year Annual Research Report
運動と食事による異所性脂肪の変化と転写因子の遺伝子多型に関する研究
Project/Area Number |
24700769
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
飛奈 卓郎 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (60509678)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / PGC-1α / PPARδ / 骨格筋内脂質 / 肝脂肪 / 糖代謝 / コレステロール |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は226名を対象として横断的にPGC-1遺伝子のGly482Ser多型とPPARδ遺伝子のT294C多型が糖代謝や異所性脂肪の量などに影響するかを調査した。Gly/GlyはGly/Ser+Ser/Serに比べて大腿部の骨格筋脂質の比率が低く、筋面積の比率が高かった。またGly/GlyはGly/Ser+Ser/Serに比べて肝脂肪が少なく、更にインスリン感受性の指標であるQUICKIもGly/Glyが高く、HbA1cは低いという結果であった。T294C多型のC/CはT/TとT/Cに比べて血中のASTとALTが高く、TT+TCとの比較では経口糖負荷試験120分目の血糖値が有意に高い値を示した。Gly482Ser多型のGly/Glyを2、Gly/Serを1、 Ser/Serを0、T294C多型のT/Tを2、T/Cを1、C/Cを0としたTotal gene score(TGS)と身体組成と血液検査項目の関連を調べたところ、TGSと肝脂肪量、BMIとALTに負の相関を認めた。 3ヶ月間の運動介入を完遂した85名を対象にこれらの遺伝子多型間で異所性脂肪の変化を比較したが、いずれの多型でも有意差を認めなかった。経口糖負荷試験120分目の血糖値を比較したところ、Gly/Glyの低下はSer/Ser+Gly/Serに比べて大きなものであった。またT/Tは総コレステロールが低下し、C/C+T/Cとの変化量に有意差を認めた。食事制限を完遂した71名でも同様に遺伝子多型間で異所性脂肪の変化に差を認めなかったが、Gly/GlyのHDL-Cと骨格筋のミトコンドリア量はSer/Ser+Gly/Serに比べて有意に低下した。運動介入と食事介入それぞれでTGSと異所性脂肪の変化量で相関解析を行ったが有意な関連を認めなかった。しかしTGSは食事制限によるFFAの変化量と正相関、IL-6と負の相関を認めた。 これらの結果からPGC-1遺伝子Gly482Ser多型は異所性脂肪の量や糖代謝に影響を与える因子である可能性を示した。またPPARδ遺伝子T294C多型は肝脂肪量や肝機能と関連がある可能性を示した。
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Research Products
(1 results)