2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24700780
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Research Institution | Tohoku Seikatsu Bunka College |
Principal Investigator |
川又 勝子 東北生活文化大学, 家政学部, 講師 (50347910)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 型染め / 生活文化 / 染色 / 地域文化研究 / 伝統工芸 |
Outline of Annual Research Achievements |
明治期から昭和40年代にかけて栄えた仙台地方の染色特産品には、明治期から大正期にかけて生産された常盤紺形染と、大正期以降に注染という当時の大量染色法で染められた浴衣・手拭とがある。これら仙台地方に特徴的な型染めについて調査を行い、染色に用いられた型紙の整理と型紙文様の電子保存を行うとともに、資料のデータベース化と型紙や染物の復刻再生を目的とした。 平成26年度は、注染型紙388枚の計測・資料破損状態等の調査等を行い、電子保存を行うとともに、電子データを活用し『仙台型染資料集Ⅸ』として印刷製本した。また、これらの文様の一部については型紙を作成し、直接染料を用いた型染め浴衣地制作も行ったところ、概ね良好な結果が得られた。 なお、3年間の研究期間中に、合わせて832枚の仙台地方の注染型紙について調査と文様の電子保存、破損文様の電子的補修を行い『仙台型染資料集Ⅶ~Ⅸ』を作成できた。この資料集を作成したことと、型紙文様を電子データ化し容易に取り扱えるようにしたことには、これまで現状が明らかにされていなかった地域に伝承されてきた型染め資料を保存し、その染色文化・技術を後世に伝えられるという意義がある。 一方で、常盤紺形染については、新たに見出した染見本裂3枚5柄と型紙(常盤紺型)6枚について調査と電子保存を行った。型紙の一部は、電子保存等の作業が困難なほど劣化していたため、型紙の補修を試みた。平成27年5月現在2年以上を経過しているが、補修による資料の劣化等は今のところ見られず、良好な状態を保っている。また、研究期間以前に収集した常盤紺型文様についても詳細な調査を行った。平成26年度は、常盤紺形染の最大の特徴とも言える絣文様を詳しく分類し、その特徴を明らかにすることができた。
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