2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700781
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
建木 健 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 助教 (70387512)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自動車運転 / 脳損傷者 / ドライビングシミュレーター |
Outline of Annual Research Achievements |
障害者の自動車運転について、現状の課題として具体的に推奨される検査や基準値の提示がなく、実車運転においても指定自動車運転教習所指導員の経験によって判断が変わってくる。また神経心理検査と実車運転との乖離が認められる。そこで本研究において、警察庁方式運転適性検査K-2の有効性を明らかにすることを目的とした。 2014年度4月から2015年3月に自動車教習所にて脳損傷者で運転適性検査を受けた31名(平均51.6±14.8歳)に対して警察庁方式運転適性検査K-2(以下K-2)、ドライビングシミュレーター(以下DS)及び路上にて実車運転を40分程度実施した。K-2の実施については有資格者が実施し、DSは単純反応、選択反応、ハンドル操作、注意配分・複数作業検査を実施した。また路上における実車運転評価を行った。それぞれの順序尺度の結果から統計的に処理を行った。 K-2とDSとの関係について K-2の状況判断と行動の内容である動作の正確さや衝動抑制性がDSの総合判断や単純反応やハンドル操作に大きく関与していることが明らかとなった。自動車運転における状況判断は事故のリスクファクターであり,タイムプレッシャーのかかる中でいかに適切な判断ができるかが問われ、その場における環境からも影響を受け状況判断は低下する。このことから本研究においても,ハンドル操作及び単純反応の遅延が認められたのではないかと推測できる。動作の速さについては,K-2の机上での検査であるスタテッィクな動作とDSのダイナミックな動作と一致する結果であった。警察庁方式運転適性検査K-2は脳損傷者の運転適性を知ることが可能であることが推測され、医療機関等での自動車運転の適性を判断するためのスクリーニングとしての有効性は高いと考えられる。
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Research Products
(1 results)