2014 Fiscal Year Research-status Report
幼稚園・保育所における父親を対象にした子育て支援策の効果の検証
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24700782
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
田辺 昌吾 四天王寺大学, 教育学部, 講師 (00512831)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 父親 / 子育て支援 / 父親サークル / インタビュー調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度の研究実績を踏まえ、父親同士のつながりに焦点をあて、地域子育て支援拠点事業における父親サークルの活動状況を調査した。具体的には、父親サークルの活動内容、活動時の父親の様子、地域子育て支援拠点スタッフのかかわりについてなどを参与観察を通して調査した。またサークルの運営を中心となって行っている父親3名にインタビュー調査を実施し、父親の意識について明らかにした。得られた主な知見は、1)父親を組織して活動を行っていく上で母親(女性スタッフ)の協力は必須であること、2)何を目的にして父親サークルを運営するかによって、活動内容は変わってくること、3)父親サークルを運営したり、その活動に積極的に参加する父親は、自身のことを子育てに対して特別意識が高いとは認識しておらず、「一般的な父親」「もっと子育てにかかわりたい(かかわらなければいけない)」と感じていること、4)父親同士のつながりを継続していく意識は高いが、仕事の状況や中心となって運営する父親の世代交代など、つながりを継続していくためには課題があり、何らかの支援が必要であること、などであった。 上記の理論的内容と実践的内容を融合し、地域の父親支援の一助となるべく、昨年度に引き続き「パパが作るファミリー運動会」の企画・運営に携わった。 一方で、社会的に父親のワークライフバランスが注目を集めていることから、研究代表者がこれまでに実施した乳幼児をもつ父親を対象にした質問紙調査のデータを再解析し、「乳幼児をもつ父親のワークライフバランスとウェルビーイングとの関連」として論文化し、研究所紀要に掲載された。 さらに、これまでの研究結果を踏まえ、幼稚園などの子育てに関連する施設における父親支援について、支援内容と父親の意識との関連について明らかにするために、4つの施設を調査先に設定し、調査内容について調整を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の研究結果より、父親を対象とした質問紙調査を実施する以前に、質的データを収集する必要性を強く感じたため、父親サークルの実態調査や父親へのインタビュー調査を優先して実施した。そのため、平成26年度に実施予定であった質問紙調査の実施が平成27年度にずれこんだ。しかし、平成26年度後半に質問紙調査の対象施設として4施設を設定し、それぞれ調査計画について調整を進めている。 また平成27年4月に施行された「子ども・子育て支援新制度」において、子育て支援の重要性が強調されており、新制度施行後の幼稚園・保育所・認定こども園の状況も踏まえて質問紙調査を実施したほうが、より有意義な調査ができるものと考えられたため、質問紙調査の実施を平成27年度とした。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査の計画を進めている4つの施設において、平成27年度の可能な限り早い時期に、保育者および父親を対象とした質問紙調査を実施し、その結果を学会発表する。 また平成25年度、26年度に実施した保育者および父親を対象としたインタビュー調査の結果を論文化し、大学紀要等に投稿する。 さらに、平成24年度から継続してきた地域子育て支援拠点事業の父親および支援者との連携を継続し、理論と実践との融合に努める。
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Causes of Carryover |
平成26年度中に実施予定であった質問紙調査を実施できなかったため、次年度への繰越金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度中に保育者および父親を対象とした質問紙調査を実施する計画であり、繰越金は調査先への訪問時の旅費、調査票の印刷費、郵送費、調査先への謝礼費として執行する計画である。
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