2014 Fiscal Year Research-status Report
日常生活で用いる道具における高齢者の握り動作の特性
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24700783
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
多田 美香里 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 准教授 (30425037)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 握りやすさ |
Outline of Annual Research Achievements |
文献研究については、当該テーマに関わる高齢者の研究が少ないものの、行動表象に関連した文献について収集を行い、現在も継続中である。文献研究により、日常生活用品の把持については、把持のしやすさあるいは操作性には、過去の把持経験が大きく影響すると受け取れる研究結果が多いことが示された。本研究においても加齢の影響または道具の使用歴の効果がみられると予測される。 この文献研究の結果に基づき、高齢者の特性を明らかにするために比較となる若年者のデータを収集する実験を行った。その結果は、2つの学会発表および1本の論文にまとめた。実験では、日常生活で用いる道具に関して様々な配置による把持のしやすさについて調べた。道具の形および身体方向に対する配置条件によって把持のしやすさが異なることを示した。ただし、道具によっては身体方向に整列した配置が必ずしも把持しやすいとは限らず、非適合的な配置が握りやすいと判断された道具もあった。この結果をもとに、次年度はどのような配置条件が加齢の影響を受けるのかについて実験的検討を行う予定である。 実態調査については、自由記述による予備的調査を実施し、本調査に向けて現在協力施設の依頼を引き続き行っている。自由記述による予備的調査によれば、日常生活で使用している道具には地域差もあることが示された。日常でどのような把持動作を行っているかについても地域差があるかどうかまではわからなかったため、次年度の調査では詳細なインタビュー調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献研究および論文執筆は行うことができたが、実態調査の協力施設を探すことに予想以上に時間がかかり、高齢者へのインタビュー調査のデータの収集が遅れている。出産により本研究を中断したこと、産後の育児により時間がとられることなどが影響し、研究遂行に予想以上に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者へのインタビュー調査を早期に実施するとともに、予備的調査で行ったデータをもとに、調査内容を精査して効率よくデータを収集する。また、本実験についても条件をできるだけシンプルなものにできるよう、本年度の文献研究および実験の結果を活かして計画を立てる予定である。
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Causes of Carryover |
高齢者へのインタビュー調査が遅れているため謝金の支出がなかったことと、そのため実験実施のための機器購入も次年度に行うことになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
インタビュー調査の実施と実験実施のための機器購入を行う。
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Research Products
(3 results)