2015 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活で用いる道具における高齢者の握り動作の特性
Project/Area Number |
24700783
|
Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
多田 美香里 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 准教授 (30425037)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 把持 / 生活用品 / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
調査研究では、日常生活でよく使う道具に関するアンケートを行った。その結果、回答された道具は多岐にわたり、また、握って使う道具以外の握るもの(本、椅子等)が含まれており、日常生活での握り動作が必ずしも道具を対象としているわけではないことが示された。 実験研究では、道具に限らず握るという動作を普段からよく行う対象とそうでない対象を比較することで、握るという動作の正確性について調べることとした。日常生活における把持の経験が多く、どの部分をどのように把持すれば良いか熟知している物品と、把持の経験が少なく、どのように把持すれば良いかを十分に理解してない物品に対する把持の正確さについて、手と対象の位置関係および対象と観察者の位置関係を検討した。 調査より把持の仕方を熟知している物品(熟知条件)、把持の仕方をよく知らない物品(非熟知条件)を選択し、これらの対象について、対象の配置、実験参加者(観察者)との位置関係、手と対象の位置関係を操作した。その結果、把持の仕方を熟知していない物品における把持の判断については、年齢に関わらず、観察者の位置に適合しているほうが正確であること、また、手の位置が物品に対して整列しているほうが正確であることが示された。把持の仕方を熟知している物品の把持の判断については、手の位置が物品に対して整列していなくても正確であることが示された。本研究の結果は、把持の判断には過去の把持経験の蓄積が影響するという従来の知見と一致すると考える。
|
Research Products
(2 results)