2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700792
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
高橋 美登梨 目白大学, 社会学部, 客員研究員 (10507750)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ボタンかけ動作 / 粗大運動能力 / 微細運動能力 / 所要時間 / 動作プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
幼児期における着脱動作と粗大運動能力および微細運動能力との関連性の解析を行った。調査対象は幼稚園年長クラス53名(男児20名,女児33名)とした。調査内容は着衣動作(制服のブラウス[留め具:ボタン4つ、打ち合わせ:左上前])、微細運動(ひも結びテスト、ビーズ通しテスト)、粗大運動(20m走、テニスボール投げ、立ち幅跳び)である。調査は平成26年11月~12月に行った。 1.着衣動作:着衣の平均所要時間は40.0秒(男児45.0秒,女児37.2秒)であり、ボタンかけの平均所要時間は26.5秒(男児31.6秒,女児23.3秒)であった。 2.着衣の「はおり」動作と粗大運動能力との関連:「はおり」の所要時間について男女別に粗大運動の上位群と下位群間でt検定をした結果、女児では上位群の方が所要時間が短かったものの、男児では有意差はなかった。「はおり」と今回測定した粗大運動能力には明確な関連はみられなかった。 3.ボタンかけ動作と微細運動能力の関連①所要時間:ボタンかけ動作の所要時間について男女共に微細運動の上位群のほうが平均所要時間は短かった。微細運動の上位群と下位群間でt検定をした結果、女児は5%水準で有意差が認められた。微細運動能力はボタンかけの所要時間と関連することが示唆された。 4.ボタンかけ動作と微細運動能力の関連②動作プロセス:ボタンかけの動作プロセスは大きく2つに分類することができた。ボタンをボタンホールに通す際の左手に着目して、右手から受け取ったボタンを引っぱるパターン(パターン①)とボタンホールに第1指と第2指を入れてボタンをつまみ出すパターン(パターン②)に分けた。パターン②の所要時間は長い傾向があった。パターン②で行う被験者の約半数はひも結びを習得中であり、動作プロセスからもボタンかけ動作と手指の巧緻性の関連が示唆された。
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