2013 Fiscal Year Research-status Report
大学生の住まいにおける室内空気汚染と生活行動に関する研究
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24700793
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
萬羽 郁子 近畿大学, 医学部, 助教 (20465470)
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Keywords | シックハウス症候群 / 住環境 / 環境整備 / 室内空気汚染 / アンケート調査 / 実測調査 |
Research Abstract |
改正建築基準法による内装仕上げ材規制や機械換気設備設置が義務付けられて以降、新築住宅のホルムアルデヒド濃度は低下傾向にあるが、シックハウス症候群は減少していない。本研究では、生活習慣の乱れによる健康問題や、室内の環境整備についての関心の低さが指摘される大学生を対象に、シックハウス症状の実態把握のための質問紙調査と、室内空気汚染に関する実測調査を実施した。 平成25年度には、関西にある13大学(国公立5大学,私立8大学)の大学生(短期大学部を含む)、大学院生を対象に自記式質問紙調査を実施し、264票(回収率97.4%)の回答が得られた。また、質問紙調査の回答者の住宅のうち32件で室内環境測定を実施した。質問紙調査の調査項目は、シックハウス症状、化学物質曝露による反応や症状(QEESI)、ストレス性健康障害、住環境に関する項目、住環境整備に関する項目、シックハウス症候群や化学物質過敏症に関する知識とした。室内環境測定では、温度、相対湿度、化学物質濃度(パッシブ法,連続モニタリング)、アレルゲン濃度測定を実施した。 質問紙調査の結果、住環境が原因と考えられるシックハウス症状有訴者は全体の約2割であった。厚生労働省では、シックハウス症候群への対応として国民への普及啓発を挙げているが、本研究の結果より、室内の換気設備やシックハウス対策についての知識不足が示唆された。 平成26年度は、引き続き、平成25年度調査結果の解析を進めるとともに追加調査を実施する。またこれらの結果を学会発表、論文発表等、公表していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度中に進めてきた準備内容を踏まえて、平成25年度は計画通り、質問紙調査、実測調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年度の調査結果の解析を進め、大学生の住まいにおいてシックハウス症状に影響を及ぼす要因や、環境整備行動や知識との関連性について検討していく。また、必要に応じて追加調査を行う。研究成果は、日本建築学会、室内環境学会、日本家政学会等で学会発表を行うとともに、学術雑誌への論文投稿準備を進める予定である。
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Research Products
(1 results)