2014 Fiscal Year Annual Research Report
メイラード反応がビタミンの動態に与える影響の網羅的解析
Project/Area Number |
24700798
|
Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
能見 祐理 新潟薬科大学, 応用生物科学部, 助教 (20614887)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ピリドキサミン / メイラード反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
アミノ化合物とカルボニル化合物の間に起こるメイラード反応の抑制に、アミノ基を有するピリドキサミンが有効である。メイラード反応抑制作用を担う一因として、カルボニル化合物と競合的に反応することが予想されるが、形成されるメイラード反応生成物についての報告は少ない。ピリドキサミン由来メイラード反応生成物の探索を行ったところ、キシロースとの反応で生成するメイラード反応生成物(XP-1)を見出し、その化学構造を明らかにした。本研究では、XP-1の標品の調製と定量方法の開発、及びXP-1生成条件の検討を行った。 標品を調製するため、ピリドキサミンとキシロース(各60 mM)を 0.5M リン酸緩衝液(pH 7.4)に溶解し、90℃で5時間反応させた。得られた反応溶液を分取HPLCに供してXP-1を精製した。次に、得られた標品を用いてLC/MS/MS(LCMS-8030, Shimadzu)によるMRM最適化とHPLC分離条件の確立を行った。完成した定量メソッドを用いて、各種反応パラメータ(温度、pH、キレート剤の有無、糖の種類、緩衝液の濃度など)を変化させた際のXP-1生成量に及ぼす影響について検討した。 反応溶液2 mL からXP-1 7.6 mg を精製することができた。得られた標品を用いてLC/MS/MSによる定量メソッドを構築した。本定量メソッドを用いてXP-1生成における各種反応パラメータの影響を検討した。pHの影響を検討した結果、弱酸性・中性条件下での生成は確認されたが、アルカリ条件下では生成が確認できなかった。また、50℃以上の高温条件で顕著に生成したことから、XP-1は食品中での高温短時間の加熱調理によって生成する可能性が示唆された。さらに、キレート剤の添加によりXP-1の生成量は増加し、五炭糖だけでなく六炭糖からも生成することが明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)