2014 Fiscal Year Annual Research Report
米粉食品の調理加工性と食味の向上をもたらす機能水の解明
Project/Area Number |
24700799
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山口 智子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (70324960)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 米粉 / 麺 / 水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は米粉パン生地に対する機能水の影響について総括をするとともに、米粉麺を対象に調理加工過程における機能水の影響について明らかにすることを目的に研究を遂行した。 実験では米粉の配合割合を0、30、50%の3段階、加水量90~150mL(36~60%)として、自動製麺機(PHILIPS)にて1.6mm平麺を調製した。機能水はこね水およびゆで水として、脱イオン水とアルカリイオン整水器で生成された酸性水およびアルカリ水を用いた。生麺およびゆで麺の水分含量、色調、物性、ゆで水のpHと濁度を測定するとともに、ゆで麺の官能評価を行った。 米粉添加0%の小麦粉麺において、異なるゆで水を使用した場合、水分含量と色調に相違はみられなかったが、ゆで麺の物性ではアルカリ水でゆでた麺がもっとも破断荷重が小さく軟らかかった。官能評価ではかたさとなめらかさの評価に有意差がみられた。こね水の違いによる物性の相違はみられなかった。 米粉の配合割合と加水量を検討したところ、米粉50%添加麺では生地がうまくまとまらなかったり、ゆでると麺がくっついたりしてうまく調製出来なかった。米粉30%添加麺では加水量110mLで生麺・ゆで麺ともに形状が良く、十分な長さの麺を調製できることがわかった。以下の実験では米粉30%添加、加水量110mLの米粉麺を用いて比較を行ったところ、米粉30%添加麺おいて、異なるこね水を用いた場合のゆで麺の物性には相違はみられなかったが、異なるゆで水を用いた場合の破断荷重は酸性水>脱イオン水>アルカリ水の順であった。官能評価では酸性水でゆでた麺が脱イオン水でゆでた麺よりもつやがあると評価された。 以上のことより、機能水をゆで水に用いることで麺の物性の改変が期待できることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)