2012 Fiscal Year Annual Research Report
ポリフェノールと食品タンパク質とのSHを介した酸化的成分間相互作用の解明
Project/Area Number |
24700802
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤本 彩 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 助教 (00623399)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ポリフェノール / 酸化物 / チオール基 / 相互作用 / 成分間反応 |
Research Abstract |
ポリフェノールの酸化物はアミンやチオールのような官能基と反応し共有結合ができることが考えられた。もしタンパク質のアミノ基やチオール基がポリフェノールと反応することにより修飾を受ければ、タンパク質の性質が変わり様々な影響が出ることも考えられる。加工や調理の過程で、ポリフェノールが酸化され、食品成分と成分間反応することは十分に考えられる。まずはポリフェノールとチオール基の成分間反応の解明を行った。 研究には、17種のポリフェノールと、チオール基のモデル化合物としてベンゾイルシステインメチルエステルを用いた。それぞれのポリフェノールとベンゾイルシステインメチルエステルを混合した溶液にDPPHラジカルを用いて反応させることにより、ポリフェノールとベンゾイルシステインメチルエステルの反応の解析を行った。その結果、ポリフェノールとチオールが両方とも減少するもの(カフェ酸メチル、ジヒドロカフェ酸メチル、カテキン、ケンフェロールなど9種)のに、成分間反応している可能性が考えられたため、LC-MSを用いてポリフェノールとチオールが成分間反応した生成物の確認を行った。すると、ポリフェノールに対し、1)分子のみのチオールが反応するもの(カフェ酸メチル、ルテオリン、ケンフェロール)と2)複数のチオールが反応するもの(ジヒドロカフェ酸メチル、プロトカテキュ酸メチル、カテキン、ミリセチン、タキシフォリン)に分けられた。フラボノイドのB環、C環部分のモデルと考えられるカフェ酸メチル、ジヒドロカフェ酸メチルに着目し、それぞれのチオールとの成分間反応生成物を単離し、NMRなどを用いて構造解析を行ったところ、カフェ酸メチルはベンゼン環の2位にチオールが反応したモノチオール付加物、ジヒドロカフェ酸メチルは5位に反応したモノチオール付加物と2,5位に反応したジチオール付加物、2,5,6位に反応したトリチオール付加物が得られた。
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