2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24700803
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
島村 智子 高知大学, 教育研究部総合科学系, 准教授 (50350179)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | カツオ / 魚 / 未利用資源 / 機能性 / アミノ酸 |
Research Abstract |
日本で高い漁獲量を誇るカツオ (Katsuwonus pelamis) は,生食用の他,鰹節等へ加工され保存食として活用されているが,未だ魚体の約40%は未利用部分が占めており,その廃棄コストは取扱い業者の負担となっている。従って,未利用部分の有効な利用法の提案や高付加価値化が強く望まれている。本研究では,未利用部分の一部である中骨と髄に着目した研究を行った。 カツオの中骨と髄の食品科学的価値の追求の一環として,遊離アミノ酸分析,ならびに加水分解後のアミノ酸組成分析を行った。その結果,遊離アミノ酸分析,アミノ酸組成分析の両方において,アミノ酸関連物質であるタウリンの含量が高いことが判明した。様々な生理的機能を有するタウリンが豊富に含まれていることは,カツオの中骨・髄の栄養学的特徴になり得る可能性があると考えられた。また,カツオの中骨・髄からのアミノ基含有化合物の溶出挙動を調べたところ,煮沸時間15分で頭打ちの状態になることが判明した。今後,溶出液中のアミノ酸,ならびにタウリン等のアミノ酸関連物質濃度を調べ,調理科学的データの蓄積も行う予定である。また,カツオの髄にはコラーゲンが含まれると共に,分子量60~20 kDaのタンパク質が含まれている可能性が示された。 過去にカツオの中骨・髄に着目した研究はほとんどなく,その科学的特徴は不明な部分が多い。今年度収集した食品科学的基礎データに,次年度に実施予定である機能性に関する情報が加わることにより,未利用資源であるカツオの中骨・髄の食品素材としての特徴付けができるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,カツオ中骨・髄の遊離アミノ酸分析,加水分解後のアミノ酸組成分析,核酸関連物質の定量等を実施した。加えて,次年度実施予定の機能性に関するデータも予備実験を終了している。特に遅れはないことから,上記の評価に値すると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,当初の予定通り,中骨・髄溶出液の機能性のスクリーニングを実施する。また,溶出液の味関連物質,ならびに核酸関連物質を実施し,食品素材としての可能性の追求も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の学会参加が当初の予定の2回から1回になったこと,ならびに謝金の支出額が予定より少なかったことから繰り越し金が生じた。従って,研究計画そのものには,変更はない。 次年度は機能性評価用に購入予定のキット類が比較的高価であることから,本年度の繰り越し金は次年度の物品費へと充てる。
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Research Products
(1 results)