2013 Fiscal Year Annual Research Report
抗酸化物質の作用特性および体内動態特性に基づく痛風予防法の確立
Project/Area Number |
24700819
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小倉 次郎 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (20580640)
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Keywords | 痛風 / BCRP / 抗酸化物質 / 薬力学的特性 / 薬物動態学的特性 |
Research Abstract |
キサンチンオキシダーゼ (XO) は加齢性酸化ストレスの主要因であり、XO活性化により産生された活性酸素は尿酸排泄トランスポータBCRPのS-S bond形成を抑制する。一方、ミトコンドリア (Mit) 由来の活性酸素はBCRPのS-S bond形成を促進することから、痛風の予防にはXO由来の活性酸素を特異的に消去することが重要と考えられる。そこで本研究では、18種の抗酸化物質の抗酸化作用を活性酸素産生系別に評価することとした。評価対象とする活性酸素産生系は代表的なXO系、NADPHオキシダーゼ (Nox) 系、Mitの3種とした。はじめに、各産生系の特異的阻害剤を用いて評価系の妥当性を検討したところ、全ての評価系で特異的阻害剤のみにより活性酸素産生量が低下した。そこで、18種の抗酸化物質の各産生系由来活性酸素に対する抗酸化作用を解析した結果、XO由来の活性酸素に対し、比較的特異的に消去する抗酸化物質としてカフェイン酸が見出された。XO基質であるヒポキサンチンをCaco-2細胞に5 mMで添加し、酸化ストレスを誘導させたところBCRPのS-S bond形成は抑制された。これに対し、10 mM アロプリノールを共存させたところBCRPのS-S bond形成は回復した。一方、10 mMカフェイン酸を共存させても回復効果は見られなかった。また、10 mMカフェイン酸は単独で添加した場合にもBCRPのS-S bond形成を抑制した。そこで、Caco-2細胞内のカフェイン酸濃度を過去の報告から見積もったところ、0.5 mM以上の添加ではMit由来活性酸素に対する50%阻害濃度 (IC50) 以上と推定された。このため、XO由来活性酸素によるBCRP S-S bond形成抑制に対する抗酸化物質の効果は薬力学的特性と薬物動態学的特性の両面から検証する必要があると示唆された。
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[Journal Article] Quercetin-3-rhamnoglucoside (rutin) stimulates transport of organic anion compounds mediated by organic anion transporting polypeptide 2B1.2014
Author(s)
Ogura J, Koizumi T, Segawa M, Yabe K, Kuwayama K, Sasaki S, Kaneko C, Tsujimoto T, Kobayashi M, Yamaguchi H, Iseki K.
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Journal Title
Biopharm Drug Dispos.
Volume: 35
Pages: 173-182
DOI
Peer Reviewed
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