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2012 Fiscal Year Research-status Report

食品機能成分によるT細胞への効果と新たなメタボリックシンドローム発症機序の解明

Research Project

Project/Area Number 24700828
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

首藤 恵泉  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10512121)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords慢性炎症 / メタボリックシンドローム / 栄養免疫
Research Abstract

近年、メタボリックシンドロームの発症機構に、免疫細胞であるT細胞が根本的な病態をコントロールしていることが報告された。これは、いわゆる炎症反応と同じメカニズムであることから「慢性炎症」という概念で説明できるのではないかと考えられている。これまでに、大豆イソフラボンの主成分であるGenisteinはTh1細胞から産生されるIFN-とTh2細胞から産生されるIL-4 を抑制することによってサイトカイン産生抑制に関するシグナル伝達経路に作用し(Sakai T, et al. J Nutr Sci Vitaminol. 52(4):293-6,2006)、Daizeinから腸内細菌によって代謝され産生されるEquolはTh2細胞から産生されるIL-13依存性のメカニズムで抗原特異的IgE抗体産生を上昇させる(Sakai T, et al. J NutrSci Vitaminol. 56(1) :72-76, 2010)ことを明らかにしており、大豆イソフラボンが免疫細胞であるT細胞に関与していることを見出した。そこで、メタボリックシンドロームの発症に関わるT細胞を介した「慢性炎症」をターゲットとし、大豆イソフラボンが脂肪組織に浸潤するT細胞を制御するメカニズムを解明するため、高脂肪食で長期飼育することによって食餌性肥満を誘導したマウスに大豆イソフラボン(Genistein, Daidzein, Equol)を強制投与し、肥満により誘導された「慢性炎症」におけるT細胞に対する大豆イソフラボンの効果とそのメカニズムについて解明する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

肥満はその過程において、全身性の糖代謝や脂質代謝、インスリンやアディポカインなどの内分泌ホルモン等、その分子機構は複雑に絡み合っており免疫学的に検討をするのは困難である。そこで、疾患の基盤病態に炎症が関与していることが明らかとなっている実験的自己免疫性脳脊髄炎マウス(EAE)を用い、大豆イソフラボン(Genistein, Daidzein, Equol)を経口投与し、発症日数と重症度を評価する。さらに、脾臓および鼠径リンパ節を用い、培養上清中に分泌されたTh1細胞およびTh17細胞由来の炎症性サイトカインをELISA等により測定するとともに、フローサイトメトリー法により抗原特異的なTh1細胞およびTh17細胞の機能解析を行い、これら細胞が産生するサイトカインプロファイルについて解析を行うとともに、遺伝子発現についても同様に評価した。

Strategy for Future Research Activity

食餌誘導性肥満マウスに大豆イソフラボン(Genistein, Daidzein,Equol)を強制投与し、肥満により誘導された「慢性炎症」に対する大豆イソフラボンの効果とそのメカニズムについて解明する。脂肪組織については、小動物用CTを用いて臓器別画像解析を行うとともに、組織学的評価を行う。また、解剖時に採取した血液において、脂質代謝マーカーと炎症性サイトカインをELISA等により測定する。飼育期間中には、経口ブドウ糖負荷試験等により糖代謝機能について評価する。さらに、精巣上体脂肪と肝臓における糖代謝および脂質代謝マーカーや炎症性サイトカインについてreal-time PCR法により定量化する。さらに、精巣上体脂肪に浸潤してきた免疫細胞を、フローサイトメトリー法を用いて特異抗体による細胞染色およびこれら細胞が産生するサイトカインプロファイルの解析を行う。また、炎症を亢進させるM1マクロファージおよび炎症を抑制させるM2マクロファージの分化に対する影響について同様に検討する。さらに、各大豆イソフラボンの脂肪細胞へのメカニズムの相違について探索するためマイクロアレイ解析を行う予定である。また、大豆イソフラボンのT細胞に対する影響が直接的に全身の炎症に関わることを証明するため、T細胞欠損肥満マウスに対する移植実験により検証する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

必要な設備・機器は、当研究室と学内附属施設に整備されているので、予算の大部分を消耗品として使用する。
食餌誘導性肥満マウスによる研究を行うため、高脂肪食で長期飼育することが必要となる。そのため、実験動物購入費用40万円、実験動物飼料・飼育費用、大豆イソフラボン、フローサイトメトリー用抗体、組織学的評価用抗体、ELISA等の測定試薬、遺伝子解析用試薬(プライマー作成・real-time PCR酵素等)、マイクロアレイ用チップが必要である。
また、国内外での学会で成果を発表するとともに、関連分野の研究動向を調査するための旅費などの経費が必要となる。

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Published: 2014-07-24  

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