2013 Fiscal Year Annual Research Report
単一ニューロン記録法・標識法を用いた食行動を呼び起こす味覚神経回路の解析
Project/Area Number |
24700833
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岩井 治樹 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30452949)
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Keywords | 味覚 / 神経回路 / 単一ニューロン / ジャクスタセルラー記録法・標識法 |
Research Abstract |
本研究は、食行動の原動力となる味覚神経回路が単一の味覚ニューロンの集合からなるという視点から、未だ明らかにされていない単一味覚ニューロンの構造と機能を明らかにし、食行動のメカニズムの解明に向けた味覚の神経回路学的基盤を確立することが目的である。本研究期間内では、味覚刺激の入口である脳幹味覚野の単一味覚ニューロンの構造と機能を明らかにすることを目標とした。前年度は、単一ニューロンの神経活動を記録し、標識物質を注入するためにジャクスタセルラー記録法・標識法の装置を構築した。続いて、この装置を用い実際のラット脳において、単一ニューロンの神経活動の記録および可視化を行った。さらに、このラット脳の組織切片を基にして、単一ニューロンの再構築像の作製を行った。今年度は、前年度の課題として残されていた「味覚に特化した実験系の構築」を行った。 「味覚に特化した実験系の構築」:ラットの味覚ニューロンを特定するためには、味覚神経回路内にガラス電極を留置した後、舌を味物質(スクロース、塩化ナトリウム、グルタミン酸、クエン酸、あるいはキニーネ)で刺激する必要がある。そこで、ラットの舌に対し、必要に応じて味物質を滴下するとともに、速やかに味物質を除去するための味刺激装置を構築した。 研究期間内では、脳幹味覚野の単一味覚ニューロンの構造と機能を明らかにすることが目標であったが、実験系の構築に時間がかかり当初目標を完全には達成することができなかった。しかし、上述の実験系を用いることにより、単一味覚ニューロンの構造と機能の追求が可能となったので、引き続き精力的に実験を進めていきたい。
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