2014 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス関連疾患早期診断マーカー探索を指向した網羅的アルデヒド解析法の開発
Project/Area Number |
24700838
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
伴野 勧 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 客員共同研究員 (60554011)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルデヒド / LC-MS / 脂質過酸化物 / カルボニル / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、酸化ストレス下で増加することが知られている4-ヒドロキシ-2-ノネナールやアクロレインなどの脂質過酸化物由来の種々のアルデヒド化合物が心血管疾患や神経変性疾患などの様々な生活習慣病の発症や進行に関与することがわかってきた。本研究では、種々のアルデヒド化合物の網羅的分析法を開発し、酸化ストレス関連疾患の早期診断マーカー探索を行った。 24、25年度に開発した網羅的アルデヒド解析法の応用を目的として、26年度は脂肪蓄積と高血糖、高脂血症などを自然発症する2型糖尿病モデルマウスである肥満・糖尿病マウス(ob/ob)およびその対照群(C57BL/6Jマウス)を飼育し、糖尿病発症前から発症後・進行時の血漿中のアルデヒド化合物の消長を測定した。その結果、C57BL/6J群と比較して、ob/ob群では多数のアルデヒド化合物の顕著な増加が確認された。その中でもドデカナール(C12:0)やヘキサデカナール(C16:0)などの長鎖脂肪酸由来のアルデヒド化合物の有意な増加が確認された。また、C57BL/6Jマウスに高脂肪食を与えた群と普通食群を比較した結果、高脂肪食群において種々のアルデヒド化合物の顕著な増加が認められた。 さらに活性酸素種の産生に関与する遊離鉄のキレート剤であるデフェロキサミンや抗酸化剤であるN-アセチルシステインの投与による血漿中アルデヒド化合物量に及ぼす影響を調べた結果、デフェロキサミン投与群、N-アセチルシステイン投与群共にアルデヒド化合物量が全体的に低値を示す事が明らかとなった。このことから生体内の過剰な鉄の除去や活性酸素種量を軽減させることにより種々のアルデヒド化合物の生成を抑制することができることが示唆された。また、本解析法が酸化ストレスを軽減させる化合物や食品などの探索にも応用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)