• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

加齢・生活習慣病のタンパク質アルギニンメチル化への影響とアルツハイマー病への役割

Research Project

Project/Area Number 24700840
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionOkayama Prefectural University

Principal Investigator

鈴木 麻希子  岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (60437001)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
KeywordsPRMT / ADMA / 加齢 / 糖尿病
Research Abstract

C57BL/6J雄マウスを5週齢時より、普通食群と高脂肪食群に分けて70週齢まで各飼料を自由摂取させた。5、42、70週齢時に体重,空腹時血糖値,空腹時血清インスリン濃度を測定した。各実験期間終了時にマウス大脳皮質よりタンパク質を抽出し、I型のプロテインアルギニンメチル基転移酵素PRMTs (PRMT1、PRMT8) ならびにDDAH1の発現量についてSDS-PAGE/イムノブロット解析により検討した。同時にDDAHの酵素活性を常法に従って測定した。その結果、体重および空腹時血糖値は42、70週齢ともに、同週齢の普通食群に比べ高脂肪食群において有意に高かった。空腹時血清インスリン濃度および空腹時血糖値から算出したインスリン抵抗性指数 (HOMA-IR) は、週齢が高くなるにつれ増加傾向を示し、高脂肪食によりその上昇が顕著となり、インスリン抵抗性を示した。大脳皮質におけるPRMT1の発現量は加齢に伴って減少傾向を示し、高脂肪食がその傾向を助長して70週齢の高脂肪食群では5週齢に比べて有意に低かった。一方、PRMT8の発現量に加齢と高脂肪食による影響は見られなかった。DDAH1の発現量は高脂肪食による影響は見られず、週齢が高くなるにつれて増加し、5週齢に比べて42週齢および70週齢で有意に高かった。しかしながら、粗抽出液中のDDAH活性は加齢や高脂肪食によって変化しなかった。
以上のことから、大脳皮質におけるPRMT1の発現量は、加齢と高脂肪食の両因子が重なった時に有意に低下することが明らかとなった。また、大脳皮質におけるDDAH1の発現量は高脂肪食による影響を受けず、加齢によってその発現量が増加するものの、粗抽出液としての比活性は変化しないことを示した。遊離型ADMAの分解は、DDAHが担うことから、加齢や高脂肪食によって変化しないことが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

マウス組み換え型Proteasome subunit alpha type-2の発現系を構築し、in vitroでProteasome subunit alpha type-2のADMA化が起こるかどうかを無細胞発現系により発現させたPRMT1, CARM1(PRMT4), PRMT8 および3HラベルしたS-adenosyl methionineを用いて検討した。その結果、in vitroでProteasome subunit alpha type-2のメチル化を確認することができなかったため、再度、マウス海馬におけるADMA化タンパク質の発現量解析を行い、加齢および高脂肪食によって発現量が減少するADMA化タンパク質としてCytochrome oxidase subunit 2 (COX2) を同定した。COX2に特異的な抗体を用いてウエスタンブロットを行った結果では、本タンパク質の発現量は加齢や高脂肪食によって変化しなかったことから、COX2のADMA化率が加齢や高脂肪食によって変化することが示唆された。本タンパク質はミトコンドリアDNAにコードされているタンパク質であるため、遺伝暗号が普遍的なものとは異なる。そのため、大腸菌や無細胞発現系でタンパク質を発現させる場合には、遺伝暗号が異なる塩基について置換しなければならず、現在、置換が必要な18塩基のうち7か所の置換を終えたところである。早く、Cytochrome oxidase subunit 2の発現系を完成させ、in vitroでADMA化が起こることを確認する必要がある。

Strategy for Future Research Activity

1. Cytochrome oxidase subunit 2のアルギニンメチル化の意義の解明
Cytochrome oxidase subunit 2の発現系を完成させ、in vitroでADMA化が起こることを確認し、本タンパク質のADMA化がCytochrome oxidaseの複合体形成、ならびに酵素活性に及ぼす影響について検討する。また、老化促進モデルマウスであり、6カ月以降、海馬にAβ蓄積が見られることが報告されているSAMP8と通常老化を示すSAMR1のCytochrome oxidase subunit 2の アルギニンメチル化率の比較を行い、Aβ蓄積との関連について検討する。
2. 糖尿病モデルマウスにおける脳内ADMA合成・分解系の変化とアルツハイマー病関連分子の関連について
野生型マウスおよびSAMマウスの高脂肪食負荷群および普通食群の海馬、大脳皮質において、Aβ42の蓄積量、γ-secretaseを構成するPresenilin等の発現量についてウエスタンブロット法を用いて検討を行う。また、SAMマウスにおける脳内ADMA代謝関連分子の発現量、ならびにDDAH、β-secretase、γ-secretaseの活性測定を行う。ウエスタンブロット法によりAβ42の蓄積量について差が見られれば、ELISA法による定量も行う。また、血漿中ADMA濃度についても本研究室で開発した競合的ELISA法により測定する。高脂肪食負荷による脳内ADMA蓄積量についても検討を行い、血漿中ADMA濃度との関係について明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

実験動物に10万円、ウエスタンブロットや蛍光免疫染色に用いる抗体類に30万円、Aβ42測定のためのELISA kitに25万円、生化学一般試薬に32.8万円、成果発表のための旅費に10万円を使用予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] マウス海馬におけるタンパク質の非対称性アルギニンメチル化に及ぼす加齢と高脂肪食の影響2013

    • Author(s)
      鈴木麻希子, 守谷智恵, 山本登志子, 山下広美, 高橋吉孝, 辻英明, 木本眞順美
    • Organizer
      第67回日本栄養・食糧学会総会
    • Place of Presentation
      名古屋大学
    • Year and Date
      2013-05-24 – 2013-05-26

URL: 

Published: 2014-07-24   Modified: 2021-09-09  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi