2014 Fiscal Year Annual Research Report
加齢・生活習慣病のタンパク質アルギニンメチル化への影響とアルツハイマー病への役割
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24700840
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
鈴木 麻希子 高知県立大学, その他部局等, 准教授 (60437001)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルギニンメチル化 / CARM1 / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
H25年度までに作製したCOX2の組み換え体100-145aa, 146-174aa, 175-228aa, 181-228aaについては、in vitroでアルギニンメチル化を確認するに至らなかった。この原因としては、各組換え体の発現量が少ないこと、あるいはアルギニンメチル化にはPRMT1やCARM1、S-adenosylmethionine以外に必要な因子が存在することが考えられた。 H25年度までに、加齢および高脂肪食によって大脳皮質におけるPRMT1の発現量が減少することが明らかになっていたことから、PRMT1の基質として知られるSam68のアルギニンメチル化率について検討した。その結果、Sam68のアルギニンメチル化率に差は見られなかった。Sam68は複合体を形成することが知られているため、抗Sam68抗体を用いて免疫沈降を行い、複合体解析を行った。その結果、Sam68複合体の構成成分である130 kDaたんぱく質のアルギニンメチル化率が、5週齢の普通食群に比べ、70週齢の高脂肪食群で高くなっていることが明らかとなった。本たんぱく質の同定も行っており、現在、その確認を慎重に進めているところである。本130 kDaたんぱく質は、そのアミノ酸配列から、CARM1によってアルギニンメチル化されるものと考えている。H25年度の検討で、CARM1は加齢によって発現量が増加することが明らかになっていることから、その点においても加齢および高脂肪食によってアルギニンメチル化率が上昇する130 kDaたんぱく質のアルギニンメチル化を行っているのはCARM1である可能性が考えられる。今後、本タンパク質のアルギニンメチル化をin vitroで確認し、本たんぱく質およびSam68の複合体に及ぼす影響を明らかにするとともに、脳機能との関連を検討する予定である。
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