2013 Fiscal Year Annual Research Report
鉄欠乏時の骨代謝変動とアスコルビン酸摂取量に関する研究
Project/Area Number |
24700847
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
勝間田 真一 東京農業大学, 応用生物科学部, 助教 (10424681)
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Keywords | 鉄欠乏 / アスコルビン酸 / ODSラット / 骨代謝 |
Research Abstract |
ヒトにおいて鉄摂取量は骨代謝に関係するといういくつかの報告がある。これまでのラットを用いた研究において、鉄欠乏食投与は骨密度や骨強度を低下させることを報告しており、その原因としてビタミンDの活性化やコラーゲン合成に障害が引き起こされていることが考えられた。しかし、これらの生体内代謝には鉄だけでなくアスコルビン酸(AsA)も関与することが知られている。したがって、鉄欠乏時の骨代謝の詳細を検討するためには、AsAの存在を無視することはできない。そこで、ヒトと同じように生体内でAsAを合成することができないODSラットを用い、鉄欠乏時の骨代謝変動とAsAの関係について検討することを本研究課題の大きな目的とした。 ODSラットへのAsA投与量を飼料1kgあたり300mg,600mg,1500mg,3000mgと変化させ骨代謝について観察することで、AsA摂取量と骨代謝の関係について検討した。被験動物として、3週齢ODSラット(ODS-/-)を用い、飼料はAIN-93G飼料組成に基づき作成し、4週間の飼育観察を行った。また、AsA合成能のある対照ラット(ODS+/+)と比較した。 血清中AsA濃度はODS+/+と比較し、ODS-/-ラット300mg/kgで有意な差はみられなかったが、飼料中AsA濃度の増加により上昇した。大腿骨骨密度はODS+/+と比較し、ODS-/-ラットで有意に低値を示したが、飼料中AsA濃度の増加による影響はみられなかった。 以上のことから、ODS+/+とODS-/-ラットの骨代謝は異なることが示唆されたが、ODS-/-ラットの骨密度の結果から、AsA投与量を増加しても骨代謝への影響は少ないものと考えられた。
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