2013 Fiscal Year Annual Research Report
日常食品に含まれるビタミンB12類縁体の解明とそれが生体に及ぼす影響について
Project/Area Number |
24700856
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Research Institution | 東京農業大学短期大学部 |
Principal Investigator |
谷岡 由梨 東京農業大学短期大学部, その他部局等, 助教 (30553250)
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Keywords | ビタミンB12 / コリノイド化合物 / シュードビタミンB12 / 食用貝類 / 発酵食品 |
Research Abstract |
貝類や微生物が関与する発酵食品には、ヒトにおいてビタミンとして機能しないB12類縁体の存在が示唆されており、食品学・栄養学の観点からB12類縁体を解明することは非常に重要である。さらに、日常食品の鶏卵は、B12の良い供給源であるが、他の動物性食品と比較し、B12吸収率が低いと報告されており、B12類縁体および他の食品との補酵素型の差異の可能性が推測される。そこで、本研究では貝類可食部、発酵食品(市販ヨーグルト、熟成型チーズ、後発酵茶)および鶏卵における総B12関連化合物量およびB12類縁体、卵黄中のB12補酵素型の解明について検討した。 貝類において、内臓も可食部とする二枚貝に多量のB12関連化合物含量が検出された一方、筋肉のみを可食部とする貝類のB12関連化合物含量は低値である傾向がみられ、大部分のB12関連化合物は内臓に蓄積されていると考えられた。また、調べた発酵食品のB12関連化合物含量は、2.0μg未満といずれも低値であった。鶏卵中のB12関連化合物含量は主に卵黄に局在し卵白には検出されなかった。 上記食品のB12関連化合物を同定したところ、二枚貝は、B12のみが検出されたが、巻き貝ではタニシにB12とともにシュードB12が検出された。後発酵茶および卵黄のB12関連化合物は全て真のB12であったが、熟成型チーズ類のエメンタールチーズおよびブルーチーズにのみシュードB12が検出されその他の熟成型チーズは全て真のB12であった。今回、貝やチーズで検出されたシュードB12量は、微量であり、またシュードB12は消化管に存在するB12結合タンパク質との結合親和性が低いため、日常摂取量も踏まえると栄養価に問題ないと考えられた。卵黄の補酵素型B12は、他の食品同様、シアノ型ではなくメチルB12及びアデノシルB12であり、鶏卵の吸収率の低さを明らかにすることはできなかった。
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Research Products
(2 results)