2015 Fiscal Year Annual Research Report
小学生の生物多様性の理解を支援する体験・認識型環境学習プログラムの開発
Project/Area Number |
24700865
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
出口 明子 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (70515981)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 科学教育カリキュラム / ゲーム / 森林生態学 / 里山 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,生物多様性の観点から自然現象を科学的に理解しつつ,それを身近な自然環境において認識することができる小学生を対象とした体験・認識型環境学習プログラムを開発し,それを実践的に提案することである。 平成27年度は,里山を題材とした環境学習ゲームの改良,大学生を対象とした実験的な評価,及び開発したゲーム教材を導入した小学生向け環境学習プログラムの提案を行った。 環境学習ゲームの改良においては,26年度までに開発していたすごろくゲームを元に,ゲームを構成する盤面やコマ,カードのデザインを一新し,名称も「里山Life・アドミンズ」と設定した。またゲームの舞台である栃木県益子町に実在する里山に即して,その生物多様性を表現するルール構成に改良した。 大学生を対象とした実験的な評価では,森林生態学の基礎を習得した農学部の学生・院生,及び小学校教員を志望する学生を対象に評価実験を実施した。その結果,ゲームのルールや構成物は実際の里山における生物多様性や,里山の植生遷移,また人による利活用に即したものであることが評価された。また,ゲーム構成物の視認性やルールのわかりやすさも肯定的に評価されたものの,小学生を対象にした教材としては,ルールのさらなる簡易化などが求められることが明らかになった。 本研究を通して,栃木県の子どもたちにとって身近な地域の里山を舞台にしたゲーム教材の開発を行い,その有効性を検証することができた。この点において,生物多様性の観点から自然現象を科学的に理解しつつ,それを身近な自然環境において認識することができる環境学習教材の開発を行うことができたと言える。今後は,本研究では十分に着手することができなかった実践的な提案も視野に入れ,ゲームのさらなる改良及び実践への導入を蓄積してくことが目指される。
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