2012 Fiscal Year Research-status Report
「読む活動」を重視した数学的表現力育成プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
24700869
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
御園 真史 島根大学, 教育学部, 講師 (60467040)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 数学的表現力 / 数学的言語力 / 教科書分析 / 数学教育 |
Research Abstract |
現在提案されている数学的表現力の育成を目指した指導法の提案は,コミュニケーションを主体とした活動を通して,数学的な表現の仕方を学んでいくといったものであるが,表現力を高めようという意識が高い学習者にしか表現力が身につかないという問題がある.したがって,誰もが数学的な表現力を高めていくには特別な支援が必要となる.また,数学的な表現力育成に関する研究はまだまだ発展途上で,十分な知見が得られているとは言い難い.そこで,本研究では「かく」といった表現活動の前に,「読む」活動を重視することの必要性に着目し,実際に学校現場で実行可能な学習プログラムの開発を行い,そのプログラムを実施した効果を検証するものである. 平成24年度は,プログラムの開発のための基礎的研究として,先行研究調査とともに,継続して数学科教科書に現れる数学的表現の抽出を進め,結果としてまとまったものから順次成果発表を行った. 具体的には,中学校の数学科教科書を使用して電子化を進めた後,その本文に対して,独自に作成した辞書を組み込み,形態素解析を行い,単語や語句の抽出と,それらの機能の特定を行った.この結果,中学校1年生においても高度な数学的表現の出現が確認された.しかし,これらの表現についての指導が行われていない可能性が高く,生徒の理解が十分でないと考えられる.このことは,数学の教科書を読んだり,授業中の教師の説明の意味がそもそも分からないことを意味する.これを実証するために,これらの抽出された語句の理解度を問う調査が必要である.この調査により,問題点が確認され次第,その問題点を克服するプログラムの開発に着手する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中学校の数学科教科書の電子化作業から,形態素解析,単語や語句の抽出と,それらの機能の特定までの作業(教科書分析)に予想以上に多大な時間を要している.しかし,この作業は後のプログラムの開発に極めて重要であるので,継続して進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度までに完遂していない,教科書分析については早急に作業を進める.平成25年度のできるだけ早い段階で,数学的表現の意味・理解度調査の実施を行い,平成25年度内に第1回目の数学的表現力育成のためのプログラムおよび教材の開発および実施を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記に記載した教科書分析の時間の遅延に伴い,作業が遅れており,一部を平成25年度に繰り越して実施する.このため,作業謝金等を平成25年度に繰越して使用する予定である.
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Research Products
(6 results)