2012 Fiscal Year Research-status Report
デジタルゲームを題材として情報科学を概観する情報教育手法の確立と評価
Project/Area Number |
24700871
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長瀧 寛之 岡山大学, 教育開発センター, 助教 (20351877)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 情報教育 / 情報科教育 / デジタルゲーム / 教授方略 / 情報科学 / 教育工学 / 授業実践 |
Research Abstract |
本研究に関連して,平成24年4月から8月まで,「テレビゲームからみる情報科学概論」という科目名で,ゲームを題材とした情報教育の授業実践を行った。本科目は対面講義の教養教育科目として開講すると同時に,「大学コンソーシアム岡山」の単位互換科目として,県内他大学の学生も遠隔地からリアルタイム受講可能なライブ配信科目としても開講した。学外の参加は3名と少なかったが,過年度に実施した同科目の結果と比較可能な実践結果を収集するとともに,遠隔学習ならではの本授業実践の問題点について整理も行った。 「教養としての情報教育」に関連して,情報教育をテーマとする研究会への定期的な参加と情報交換を行い,合わせてエンタテイメントコンピューティング関連のイベントへの参加,ゲーム関連の技術書や研究情報の収集などを通して,本研究の目指すカリキュラム構築に必要となる情報の収集と整理を行った。 授業実践手法確立に向けた教材開発については,授業実践と並行して検討を行った。主にWebアプリケーションとして実装を行うために関連書籍の購入と実装を行い,合わせて既存研究の調査,またゲームの技術情報から有用な資料を収集するなどの活動を行った。また映像教材作成に必要な機材を一部購入した。 対外発表については,現時点までの成果をもとに,デジタルゲームを活用した情報科学教育の有用性についてまとめた論文を執筆した。この論文は平成25年1月に採録・掲載された。また論文とは別に,学会誌の解説記事として本授業の概要を紹介する記事を執筆し,こちらも論文と同時期に掲載された。さらに本記事は,WWW上で広く無償公開されており,本授業実践についての情報を広く周知する機会を得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の対象とする「デジタルゲームを情報教育の題材として活用する授業実践手法」について,当初予定より早く論文化を行うことができた。なお本論文では,デジタルゲームが”情報の科学的な理解”を促進させる題材として有用であることを示した段階であり,本研究の最終目的とする「任意の教員が活用可能な授業カリキュラム」の確立は,次年度以降の本研究の焦点となる。 さらに,論文以外に本研究の成果を記事として広く公開する機会を得たのは,想定外の進展であった。一方で本記事執筆の作業発生,また論文掲載にかかる費用で当初想定していなかった研究費の執行が発生した影響で,国際会議への投稿・発表が遅れている。こちらは次年度の早い段階に投稿予定である。 全体としては,24年度の成果としては概ね順調な進展であったと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の授業実践結果をもとに,改善した授業計画を実際の授業実践に適用し,継続的な検証と改善を行う。合わせて,本授業計画を一般化した情報をWebサイト上に掲載し,幅広く本実践の周知を行うとともに,授業tipsとしての有用性について意見の収集と検討を行う。 また,平成25年度より導入される高校の共通教科「情報」の新カリキュラムに関して,実情調査や文献収集などを継続的に行い,本研究の目指す「ゲームを題材とした情報教育」の手法確立への影響について検討を行う。 また24年度分までの実践結果について分析結果をまとめ,国際会議への投稿・発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度に引き続き,デジタルゲームの技術分野に関連する書籍や研究文献を収集するとともに,前年度の論文掲載にかかる費用執行の関係で資金的に購入しきれなかった,教材作成のための映像収録機材,開発環境ソフトウェアなどを購入する。 また,情報収集や研究発表のため,国内の情報教育,エンタテイメントコンピューティング関連の学会や研究会への参加,また国際会議参加に関する旅費と参加費に執行する。
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Research Products
(4 results)