2013 Fiscal Year Annual Research Report
科学技術コミュニケーションの送り手と受け手のギャップに関する社会心理学的研究
Project/Area Number |
24700877
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
武田 美亜 青山学院女子短期大学, 現代教養学科, 准教授 (90509209)
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Keywords | 科学技術コミュニケーション / 視点取り |
Research Abstract |
平成25年度は,さまざまなジャンルを含む小規模な参加型イベント全般と,科学技術に関する小規模な参加型イベントへの参加・不参加理由について,市民に対してインターネット調査を実施した。具体的には,イベント全般と,科学技術に関する小規模な参加型イベントとしてサイエンス・カフェのそれぞれについて,参加理由および不参加理由になりうる事項を各8項目挙げ,それらの理由がどの程度当てはまるかを尋ねた。その結果,不参加理由として「一緒に行く人がいない」「その場で出会った参加者どうしで直接話すのは気がひける」「会場が,行きにくい場所にある」の3つの理由に関しては,当てはまる,やや当てはまると答えた回答者の割合がイベント全般よりもサイエンス・カフェにおいて多かった。市民の参加しやすさという観点で考えると,サイエンス・カフェの重要な特徴である参加者同士の交流があることをあまり強調しない方がよい可能性がある。 平成24年度には,博物館内のトークイベントで,イベントに出演したコミュニケータがイベント参加者の視点取りをどの程度行なえているのかを検討した。具体的には,イベント参加者がアンケートで答えたトークの評価をコミュニケータに推測させた。その結果,コミュニケータは実際の評価よりも自己卑下的に自分のトーク評価を推測していた。ただし,市民の評価とコミュニケータの推測値の間には概ね正の相関が見られたことから,ある程度の視点取りはできていると考えられる。 本研究では具体的なコミュニケーション中の視点取りと,科学技術コミュニケーション活動の企画立案段階での市民の視点(ニーズ)の把握という2つの観点から,コミュニケータと市民の認識のギャップの可能性について指摘した。
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Research Products
(2 results)