2014 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害者支援のための無線ネットワークを用いたパーソナル遠隔情報保障に関する研究
Project/Area Number |
24700885
|
Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
若月 大輔 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (50361887)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 遠隔情報保障 / 聴覚障害 / 無線ネットワーク / 文字通訳 / 手話通訳 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等教育を受ける聴覚障害者を支援するために、遠隔から文字通訳と手話通訳を提供できる遠隔情報保障システムの研究開発を進めてきた。しかし、従来のシステムは現地のネットワーク確保、システム構築と運用にかかる物的、人的コストが課題であった。そこで、無線ネットワークを利用してウェブベースでシステム実装することによってこれらの課題の解決を試みた。 平成24年度は、遠隔情報保障に不可欠な映像の送受信において、通信の不安定さに起因する映像の断続的な切断が手話の読み取りに与える影響について調査した。この成果をもとに、ウェブベース遠隔情報保障システムの構築に着手した。平成25年度は、遠隔文字通訳を行うことができるシステムcaptiOnlineを構築し評価を開始した。 最終年度の平成26年度は、LANやWANといった様々なネットワーク環境でcaptiOnlineを利用し、多様な場面で評価を行った。主に、大学講義(筑波技術大学、平成26年度30コマ)、学会発表(電子情報通信学会福祉情報工学研究会第78回研究会)、見学(NHK技研公開2014)およびイベント(大田区民大学等、協力:パソコン文字通訳社会ubiquitous)において実験的な文字通訳を行った。これらを通して、ウェブベースの通信は多様な環境でのネットワーク確保を容易にし、文字通訳者と利用者はウェブページを閲覧できる程度の知識だけで,遠隔文字通訳の実施,利用ができることを示した。つまり、ネットワーク環境の確保と、システム構築と運用にかかる物的、人的コストの課題を解決できることが明らかになった。 遠隔手話通訳については、文字通訳と同様にウェブベースでのシステムの試作に着手した。手話通訳映像の実写配信は通信量が増加するため、CGと実写を組み合わせたハイブリッドな映像配信方法について検討を進めている。研究期間終了後もシステム構築と評価を継続する予定である。
|