2012 Fiscal Year Research-status Report
行動識別を用いた授業法の振り返り支援システムの構築
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24700888
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
江木 啓訓 東京農工大学, 総合情報メディアセンター, 助教 (30422504)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育工学 / 行動識別システム / 教授学習支援システム / ユーザインタフェース / 授業法 |
Research Abstract |
平成24年度について,以下の通り取り組みを進めた.まず,これまでに学習者の行動を識別するために試作した筆記具について追加製作を行った.また,教室全体への展開のために,教室内で15名程度の学習者の行動を同時に識別するための機器を構成するとともに,分析のために学習者と授業者を記録する環境を構築した.特に学習者の撮影については,ウェアラブルカメラを用いて視野映像を取得し,行動の識別に資するか検討を行うとともに,学習者本人へのインタビュー等を通じた評価の際に使用できるようにした. これらのシステムをもとに,研究協力者の教員が担当する授業での実験を行った.予備実験を通じて,大教室での90分の授業における時間軸を考慮した行動の識別について検討するとともに,教室への導入の影響を分析した.実際の授業において学習者に影響する要素は多岐に渡り,比較実験が難しいという点があった.このため,観察と学習者の振り返りを通じたインタビューをもとに状況の判定方針を策定した. また,既に所有している視線計測装置を用いた分析のための調査実験を実施した.さらに,次年度に本研究で構築している授業観察システムに組み込むための装置改修に関する検討を行った. これまでに得られた研究成果を報告するための学術文献の調査を実施した上で,前年までの結果を併せて研究発表と紹介・デモを行った.査読付き原著論文への投稿と照会を通じてこれまでの議論を整理し,採録により研究成果の公表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの成果を踏まえて,実際の授業観察システムの構築と評価に向けた機器の整備を進めるとともに,予備実験を通じた機器の導入による効果や影響を検証した.実際の学習者を対象とする場合の複雑さを認識するとともに,運用のための課題を整理することができた. その一方で,タブレットデバイスの普及や活用などの社会情勢の変化を踏まえて,当初の計画達成のみならずこれらの状況への対応を検討する必要が生じた.さらに,研究代表者の所属機関変更に伴い,評価のための実践環境をどのようにするか再考する必要が生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの開発を進めてきたシステムを用いた実践と分析を行う.ただし,研究代表者の所属機関変更に伴って,現所属における教育業務担当や,従前の協力者との地理的な距離に変更が生じている.このため,実験や実践の環境,開発体制等を早急に点検し,研究遂行に必要な体制を再編成する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究実施計画のうち,センサモジュールを内蔵したペンの製作が未実施であり,そのための研究費の執行を留保している.紙のノートへの筆記行為を想定していたが,タブレットデバイスの普及や活用が当初の予想を超えて進展しており,将来的な展望としていたスタイラスへの組み込みを無視できない状況となっている.このため,紙のノートとタブレット双方に対応した筆記具に組み込みという形で対応するよう調査を進め,平成25年度中の開発を予定している.
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