2012 Fiscal Year Research-status Report
初等中等教育における道徳性の発達段階や学習者特性を考慮した情報モラル指導法の開発
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24700892
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
梅田 恭子 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70345940)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 情報モラル / 指導法 / 授業実践 / 教材開発 |
Research Abstract |
平成24年度は8月から産休に入ったため、研究期間は4月から7月の4か月間であった。この期間に行ったことは次の3つである。 まず1点目として、文献調査を行った。今回は、次の二つに注目した。一つ目として、主に算数・数学教育で用いられている作問演習についてである。この研究は一昨年度に始めたばかりであり、1年目で課題となっていたことを引き続き検討した。二つ目として、社会心理学における相手を説得するための方法を調査した。一般的に情報モラルは「~してはいけない。~すべきである」という形をとる。そのため、情報モラル教材を作成する際には、相手を説得する必要があり、それに活用するためである。その結果、オーバーハードコミュニケーションを用いた説得方法に着目することとした。 2点目として、これまでの研究の結果も含めて学会の全国大会と国際会議で、それぞれ発表をし、また、紀要への投稿を1件行った。全国大会では、一昨年行った作問演習を用いた授業実践について発表し、改善へとつなげた。国際会議ではゴールベースシナリオ理論を用いた授業実践について発表した。そして紀要では、小学生を対象としたICT利用状況にかかわらない指導法の検討について報告した。 3点目として、2012年7月に作問演習を用いて高等学校で授業実践を行った。今回は作問演習の中でも、与えられた問題を訂正する訂正法と、与えられた問題に類似した問題を作成する類似法の比較を中心に行った。その結果、特に類題法において生徒間に差が見られた。何を目的として、訂正法や類題法を使うかを明確にする必要があることがわかった。 これらの結果をもとに次年度さらに改善をし、研究を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
産休・育児休業により研究を一時中断したため当初の計画よりは、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度8月から平成25年度7月までの約1年間育児休業等につき研究を中断した。そのため、平成25年度の後半は、平成24年度の残り分を遂行し、その後、1年ずつずらして研究を遂行していきたいと考えている。 具体的に平成25年度の大きな方策は文献調査と指導法の候補を挙げること、授業実践を行うことの2つである。まず、文献調査については、(1)発達心理学や道徳教育等における道徳性の発達段階の理論やそれに関する研究、(2)教科教育や道徳教育における指導法の情報モラル教育への活用可能性の検討、(3)教育工学等における情報モラルや発達段階の違いに関する研究を行う。昨年度は上述したように作問演習、オーバーハードコミュニケーションに着目した。それらも追求しつつ、他の指導法にも着目し、今後候補として挙げる指導法について検討をしたい。その後、いくつかの指導法について、12月をめどに授業実践を行いたい。 次年度以降は以下のとおりである。平成26年度は、平成25年度に候補に挙げた指導法の中から対象となる児童生徒やねらい、メディア教材の指導の有無を鑑みて、2つ程度に指導法を絞り、さらに深く追求していきたい。そして、具体的に指導法を設計し、実践評価をし、改善を繰り返していく。評価においては学習者特性における効果の差も検討する。ここでいう学習者特性とは、インターネットの利用経験、情報技術の知識の有無、性差等を指す。平成27年度には、26年度に対象とした校種等へ適応できないかも検討し、必要であれば比較検討を行いたい。 そして、随時、全国大会や研究会等で結果を発表し、情報交換や結果の発信を行いたい。また、紀要等への投稿も行う予定である。 尚、この研究の実践や評価は全期を通して、本学の初等・中等教員養成の学生や大学院生、卒業生とともに行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度8月から育児休業の取得に伴い、研究を中断したため、平成24年度研究費に残額が生じた。 平成25年度の研究計画は、まず文献調査、そして指導法の候補を挙げ、授業実践を行うことである。まず、道徳教育や心理学、他の教科に関する文献を調査するため、その購入に使用する。さらに、本年度から教科「情報」に新しい教科書が導入されるため、教科書や指導書、また関連する副教材等を購入する。 次に、授業実践のための、教材費、交通費、謝金に用いる。尚、今年から、実践校が新しく増える予定であるため、学校の設備によっては、タブレットPC等の新規の物品を購入する。さらに、本研究では、学生や卒業生の教員とともに行うため、人件費や謝金等に用いる。尚、授業実践に参加する学生の数によっては、バスの借り上げ等も検討する。 さらに、研究成果を国内の学会で報告し、最新動向の把握や意見交換を積極的に行う。また、紀要等への投稿も行う。そのため、研究成果の発表にかかる費用、別刷り代、場合によっては英語論文の校閲費に使用する。
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Research Products
(3 results)