2012 Fiscal Year Research-status Report
立体映像が遠隔教育場面における社会的存在感及び教育効果に及ぼす影響に関する研究
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24700895
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松河 秀哉 大阪大学, 全学教育推進機構, 助教 (50379111)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 遠隔講義 / 社会的存在感 / 教育効果 |
Research Abstract |
本年度は、遠隔教育における社会的存在感に関して、今後の研究の基礎とするための質問紙調査を行うと共に、立体映像を用いた遠隔講義を行うための環境の整備を行った。 質問紙調査に関して具体的には、大阪大学で行われているオムニバスの遠隔講義について、毎回質問紙調査を行い、授業評価アンケートの項目と社会的存在感得点をあわせて測定した。分析の結果、基本的に同一のテレビ会議システムを通したやりとりであっても、各回の社会的存在感得点に差が生じることが確認された。また、社会的存在感得点と授業評価アンケートの項目との相関分析の結果、総合的には社会的存在感は理解度や満足度などと相関が強く、授業評価アンケートで取り上げられる項目の多くともある程度の相関が確認されたため、授業評価アンケートで通常測定される項目の改善に取り組むことが、遠隔授業における社会的存在感を全体としては向上させることが明らかになった。一方で、個別の回を見た場合、難易度の高さが社会的存在感を抑制する可能性や、授業評価アンケートの項目とは全く異なった軸により社会的存在感が決定される可能性なども示唆された。この成果に関しては、国内外の学会で発表を行った。 また、立体映像を用いた遠隔講義を行うための環境の整備に関しては、3Dに対応したハイビジョンビデオカメラと、裸眼立体視可能な3Dテレビを2組用意することで、2地点間で同時双方向的なコミュニケーションを行うことが可能な環境を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、3Dに対応した遠隔教育環境の構築を行うと共に、社会的存在感と、授業の満足度や理解度、及び、その他授通常業評価アンケートで測定される項目の関係を明らかにすることができた。当初は、3D環境下で、社会的存在感と、満足度、理解度、疲労感の関係を調査する予定であったが、その前により授業に関係が深い授業評価アンケートで測定される要因との関連を押さえた上で研究を進めた方が有意機であると判断したため、3D環境下での測定は次年度に順延したが、全体としては、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は3D環境下において、教育活動を実施し、社会的存在感と、理解度や満足度、疲労感、その他授業評価アンケートで一般的に測定される項目との関連を調査する。3D環境下での実験は、分析を容易にするため、まず録画した授業を再生しそれを評価する形で行い、3D環境下での効果と課題を確認した上で、双方向の実験を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)