2012 Fiscal Year Research-status Report
リフレクション活動の深化を目指した「学びのスケッチ」ツールの高度化
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24700901
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
根本 淳子 熊本大学, 社会文化科学研究科, 助教 (80423656)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | リフレクション |
Research Abstract |
本研究は実践の中で自分の置かれた状況や判断を振り返り、軌道修正をしながら次の課題に取り組むという実務家に求められる高度なリフレクションスキルの養成支援を目指し、実践的スキルを安定的に培うための支援としてリフレクション活動支援ツール「学びのスケッチ」の高度化を目指した研究である。 24年度は助成金を受けた初年度として、「学びのスケッチ」ツールの3機能のうち、「学びのスケッチグラフ機能」と「成果物の引き出し機能」の二つの開発に取り組んだ。まず、既存のスケッチツールを利用する際に出てきた課題を洗い出し、「学びのスケッチグラフ機能」の改善点を明確にした。計画をしていた15 週間分まとめてスケッチグラフを記述していたものを、学習サイクルの期間にあわせて、学びのスケッチグラフを分割して書ける機能へと拡張し、それに伴いユーザの管理や振り返り活動全体設計がシステム上で一元管理できるようにした。 その上で、将来的な運用や実施方法を検討しながら、新規で開発する「成果物の引き出し機能」として何を用意するべきかを明確した。今回は、利用者の負担が増加されないように、学習者が作成した成果物を学習週単位に学習者が振り返りに参考になると考えたファイルを複数添付できるようにした。これによってリフレクション活動の基礎情報となる成果物の管理する本機能を追加実装した。成果物を生み出す学習活動のレポートや作品などを選択して蓄積・参照できるようになった。各学習サイクル内に提供されるリフレクション活動のうち、学びのスケッチグラフと併せて確認できるように開発した。 開発リストを元に、プロトタイプ版のシステム開発し、それを踏まえて専門家レビューと形成的評価を行った。複数回の改善を行い、安定した運用が可能となったことを確認し、25年度の前期に開発できた範囲で本運用する段階まで可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的に沿って、システムの開発に着手し、予定通りに開発が進んでいる。しかし、本研究の成果はまだ発表できていないため、翌年度は成果発表の機会を積極的に設ける。
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Strategy for Future Research Activity |
開発が完了した「学びのスケッチ」ツールを25年度の前期を通じて本運用させる。適宜実施状況を確認・分析し、次の段階である「ラーニング・ダイアログ機能」の開発に反映させる。利用者が利用しやすいシステム作りを目指し、前期に運用後に得られたインタビューやアンケート結果を踏まえて既存機能の改善と新機能の開発に取り組む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の中心は、本研究の中心となる「学びのスケッチ」ツールの設計と開発の費用に充てる。実運用までに持っていくには、利用者の声を即時にシステム開発に反映させるように、数回のインタビュー調査を行うための旅費として使用する。さらに研究成果を発表するために学会に参加するための旅費としても使用する。
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