2012 Fiscal Year Research-status Report
機能分割と機能追加によるLMS開発サイクルモデルの構築
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24700903
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nayoro City University |
Principal Investigator |
石川 貴彦 名寄市立大学, 保健福祉学部, 准教授 (50422001)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | LMS / プログラム / S式 / CGI / データベース / HTML / Webサーバ |
Research Abstract |
まず、LMS開発サイクルモデルを検討するための開発Webサーバおよび運用Webサーバを構築した。これは、以前まで運用していた旧サーバと開発サーバ間で「機能分割」を検討・実験し、開発サーバと運用サーバ間で「機能追加」を検討・実験するための整備である。また、機能分割の精度を高めるため、旧サーバのLMS(CGI)プログラムの記述を見直し、printf関数を用いてHTMLを出力する書き方をS式アトムでの表現に改めた。補足すると、printf文は(printf "<form action=\"submit.eti\" method=\"post\">") と記述され、機能分割の情報として必要なsubmit.etiというパスは、最初にprintf関数を検出し、さらに文字列検索しないと見つけることができない。S式で表現すれば(form:begin "submit.eti")と表され、form:beginアトムさえ検出すれば分割情報を取得できるということである。 このようにS式アトムに書き換えた後、分割情報を自動取得するプログラムを開発した。サブシステムはフォルダ毎に管理されているので、フォルダを指定すれば中に含まれるCGIファイル全てが探索対象となる。そして、各CGIからform:beginアトムを探し出し、サブシステムを構成するCGIのリストが得られるようにした。 プログラムを旧サーバに適用した結果、フォルダ内の全てのform:beginアトムを検出し、CGIリストを得ることができた。ただし、CGIリストが実際のファイル構成とは異なった状況であったことを確認した。それは、form:beginアトムでパスが記述されたにもかかわらず、CGIファイルそのものが実在していない状態、すなわちリンク切れが検出されたことである。今後はリンク切れの解消もシステムの洗練化に含めて研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新サーバのOS(Windows Server 2003 から Windows Server 2008 R2へ)およびデータベースソフト(SQL Server 2005 から SQL Server 2008 R2へ)のバージョンアップに伴い、本LMSの運用に関する設定方法が大きく変更し、それに多くの時間を費やすことが予想された。これは、CGIをETIという独自開発のインタープリタで動作させているため、設定方法も独自に考案する必要があった。しかしながら、順調にサーバを構築することができ、それが上記の区分を選択した1つの理由といえる。また、設定方法をマニュアル化したので、今後のLMS構築に係る所要時間を短縮することができた。 そして、本研究で開発した、分割情報の自動取得プログラムの基本機能がトラブルなく動作した点も理由となる。旧サーバのLMSそのものが大規模であるため、自動取得に対してトラブルやバグが生じると予想したが、問題なくスムーズに動作した点が大きい。実験として、本LMS(旧サーバ)の全てのデータベース情報を自動取得してリスト化することを行った。テーブル数105、ビュー数52、アクセス権限403、外部キー48、ストアドプロシージャ38、ユーザ定義関数14がその内訳であるが、取得からリスト化するまでの所要時間は24秒であり、機能分割に関する情報を、自動かつ高速に旧サーバから取り出せたことを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
LMSの再構築のために必要な、データの洗練化が今後の推進方策となる。今年度の研究より明らかになったリンク切れへの対応や、データの精緻化、ユーザインタフェースの改善を主な研究課題として遂行していく。特にデータの精緻化では、データベースレコードの削除によって生じた欠番を、移行データを作る際に解消しつつも、リレーションを保持できるような、移行データ生成プログラムを開発する。 実験として、本LMSの適用例である「就職支援ポータルサイト」のデータを、新サーバに移行することを行う。就職支援ポータルサイトは、ユーザ管理や機能管理などのメインシステムと、求人検索および掲示板のサブシステムがコンポーネントとなる。これらの機能を旧サーバから分割し、さらに過去の求人情報や掲示板の古い記事を除去した形でデータを洗練化し、新サーバに機能を追加する予定である。こうすることで、システムを運用する側に管理のしやすさを与えていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
LMS開発・維持に必要な機器およびソフトウェアの整備において、物品費を使用する予定である。また、教育システム関連学会(教育システム情報学会(石川県)、日本教育工学会(秋田県)、大学ICT推進協議会(千葉県)など)での情報収集および成果公表のために旅費、学会参加費、研究成果投稿料を使用する。さらに、システムトラブルや研究の遅延など不測の事態に備えるため、機器保守費や研究補助のための人件費を用意しておく。
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