2013 Fiscal Year Research-status Report
リアルタイム動作可能なレスポンスアナライザを活用した教育方法に関する研究
Project/Area Number |
24700911
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
水谷 晃三 帝京大学, 医療情報システム研究センター, 講師 (30521421)
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Keywords | Classroom Response Sys. / レスポンスアナライザ / 教育支援システム / 教育工学 / WebSocket / Webベースシステム / 学習記録の分析 / 学習者行動 |
Research Abstract |
平成25年度の研究では,本研究の目的の1つであるリアルタイム動作可能なレスポンスアナライザの試作を行った.前年度(平成24年度)に行った事前検証に基づき試作システムの基本アーキテクチャを決定した.具体的には,.Net Framework 4.5によるMVC 4.0を基本アーキテクチャとしたWebアプリケーションとし,View層における実装技術としてはHTML5及びCSS3.0を採用した.これにより,PC,スマートフォン,タブレットなど幅広い端末で動作が可能になっている.リアルタイムなレスポンスアナライザ機能を実現するためのWebSocketについてはSignalRを採用した.SignalRの採用により,①WebSocketに対応していないブラウザを搭載する端末での動作,②パブリッククラウドの活用と容易なスケールアウト,を可能にした.システムのリアルタイム性については評価実験を行い,その結果を学会にて発表した. 試作システムの開発と並行して,本試作システム以前より運用していたPC上で動作するレスポンスアナライザを用いた学習記録の分析も行った.まず,学生によるレスポンスアナライザの使用状況を詳細に把握できるように改良を行った.改良したシステムを実際の授業で使用してログを収集し,得られた情報を基にした統計的分析を試みている.分析結果は平成26年度にて学会等で報告する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の交付申請時においては,平成25年度の研究実施計画を「前年度の研究において開発したプロトタイププログラムの動作検証の結果に基づいて,本研究課題システムの設計・開発を開始する」としていた.研究実績の概要において述べたように試作システムの開発に着手しており,基本機能の実装がほぼ完了している状況である.次年度(平成26年度)に予定していたシステムのスケラービリティ性についての評価もすでに実施しており,当初計画よりも早く研究が進展している状況である.また,実証実験もすでに開始しており,試作システム自体の実用性の検証のほか,試作システムを活用した授業における学習効果についてデータの収集を開始している. PC上で動作するレスポンスアナライザを用いた学習記録の分析についても予定通り研究が進行している.ログデータからの学習記録情報の抽出プログラムを開発するとともに,統計的手法により学習者の分類を試みた.実験の結果については次年度(平成26年度)中の学会発表を行うべく論文の執筆を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
試作システムの開発が予定よりも順調に進行したため,システムの利便性を高める機能の実装を検討する.システムの利便性を高めることによって,システムの利用範囲の拡大効果が期待でき,より多くの教育シーンで利用できるようになる.本システムの利用率が高まることによってシステム実用性を客観的に評価できるようになるほか,学習記録を蓄積して研究に役立てることが可能になる. 本研究課題の目的は,システムを試作することだけではなく,試作システムの利用を通したレスポンスアナライザの効果的な活用方法を研究することである.利便性を高める機能の実装により本研究を推進していけるようになると考えられる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発環境に必要な物品に含まれる付帯サービス(クラウドコンピューティングサービス)の充実が図られたため,そのサービスを含む製品を調達したことにより付帯サービスを無料で使用できるようになった.そのため,当初見込んでいたサービス使用料の費用の削減が可能であった.また,台風の影響により1つの学会参加をキャンセルしたため次年度使用額が生じた. 次年度はこれまでの成果を学会等において発表することを中心とした活動を行う.学会等への参加費,旅費として研究費を使用する計画である.現時点では1つの国際会議及び2つの学会への参加を予定している.また,試作システムの運用環境及び開発環境の維持のために研究費を使用する計画である.
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