2012 Fiscal Year Research-status Report
受講者の理解の程度をリアルタイムで把握するシステムの開発とその評価
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24700912
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
森田 直樹 東海大学, 情報通信学部, 講師 (50413571)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 該当なし |
Research Abstract |
本研究の目的は、パソコンを用いる授業を対象とし、(1)学習者のつまずきをどのように把握するか(2)全員の理解の程度をどのようにリアルタイムで把握しながら授業を進行するか、の2つの課題を明らかにすることである。 24年度の成果として、学習者のつまずきを把握するために、演習中の操作の過程を取得することに成功した。具体的には、以下の3点があげられる。 1点目:アプリケーションの操作過程を取得できるようにした。システムメッセージに対してグローバルフックを用いてマウスイベントを監視する。グローバルフックを用いることで、学習者は通常通りの操作を行うだけで、システムは、その動作を取得することができる。システムは、マウス操作のタイミングで受講者のPC画面のキャプチャを行い、その操作がどの場所に対して行ったのかを確認できるように、対象箇所にハイライトを施し画像として蓄積できるようにした。これにより,受講者が行った操作演習の過程を後から振り返ることが可能となった。 2点目:Visual Studio(プログラム開発環境)においてプログラムの作成過程を取得できるようにした。当初の予定では、システムメッセージに対してグローバルフックを用いて取得する方法を考えたが、エディタ上に表示されるテキストのすべてを取得することができなかったため、アドインを開発することによりソースコードの編集の過程を取得できるようにした。 3点目:コマンドの操作過程を取得できるようにした。これにより、受講者がプログラムをコンパイルしながらプログラムを修正していく過程をシステムに蓄積することが可能となった。 上記の研究成果は、2013年度に開催される情報科学技術フォーラムの査読付き論文へ投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しており、計画通りに研究に着手していきたい
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、パソコンを用いる授業を対象とし、(1)学習者のつまずきをどのように把握するか(2)全員の理解の程度をどのようにリアルタイムで把握しながら授業を進行するか、の2つの課題を明らかにすることである。 24年度では、学習者がパソコンに対して行った操作の過程を取得することを目標に掲げ、目的を達成した。 今後の研究の推進方策として、取得した操作過程の中から、学習者のつまずきを把握しながら授業を行う事ができるように、有益な情報のみを抽出し講師に提供することを目的とする。 具体的には、プログラミングの授業では、コンパイルの実施により、学習者が自力で間違いを修正できるか、混乱に陥ってしまうのかの分かれ道となる。なるべく、学習者が混乱に陥る前にその状態であることを講師に通知する、または、混乱に陥ってしまった時はその原因を講師とともに振り返りができるように、システムが蓄積された情報のなかから状況を判断するアルゴリズムを開発し、実装し、実験を行い有効性の検証を行う予定である。 また、その研究の成果を学会を通じて公開する事を目標とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の利用計画として大きく3点あげられる 1点目:大規模な実験を行う為の運用サーバの構築の為の費用 2点目:実験の補助や国際会議原稿翻訳の為の人件費 3点目;学会発表のための交通費や論文投稿の為の費用
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Research Products
(1 results)