2013 Fiscal Year Annual Research Report
日本語学習者の知識構造の推測に基づく日本語学習ナビゲーターの研究開発
Project/Area Number |
24700914
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
韓 東力 日本大学, 文理学部, 教授 (10365033)
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Keywords | 日本語学習支援 / 知識構造 |
Research Abstract |
これまでの日本語学習支援システムには、利用者間の個人差に注目しているものや一人一人の学習者の日本語レベルに特化した学習支援ができるものが少ない。学習者全員に対して同じ方法や内容で支援しても必ずしも最良な効果が得られると限らない。日本語学習者一人一人の日本語能力の違いや知識構造における個人差を捉えた上でそれぞれの学習者の日本語能力に最も相応しい方法と内容で支援する仕組みを開発する必要がある。 本研究では学習者の日本語能力を複数の要素に分けて、入力文分析・レベル判定・誤り修正などの機能により学習者の特徴を要素ごとにケアしていく仕組みを開発した。さらに、システムの利用結果を学習者ごとに解析・蓄積していくことにより、それぞれの学習者にあった学習内容の提示方法を設計・実装した。また、大規模新聞コーパスから要素ごとに学習用問題の自動作成も試みた。 最終年度では、開発手法をもとにウェブ上で利用できる日本語学習支援システムを構築し、日本語学校の留学生に一定の期間にわたり、利用条件を定めた上で試験的に利用してもらった。システム利用前後における学習意欲や日本語レベルなどの変化に関する測定結果や自由記述アンケートの内容を分析した結果、学習者の日本語能力と学習意欲ともに本システムを利用することで向上することが確認できた。 利用アンケートでは、日本語以外の言語による説明機能がほしい、新聞コーパスから出題された問題文が難しいなど研究手法によらないが意見がみられたので、今後はさらなる改善を図りたい。
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