2012 Fiscal Year Research-status Report
低線量放射線に関するリスクコミュニケーション―いわき市の市民活動を事例として
Project/Area Number |
24700920
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ |
Principal Investigator |
鈴木 努 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (00595291)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 市民活動 / 低線量被曝 / リスクコミュニケーション / ネットワーク分析 |
Research Abstract |
本研究課題では、福島県いわき市で福島第一原子力発電所事故にともなう低線量放射線被曝問題に取り組む市民活動におけるリスクコミュニケーションの特徴を明らかにすることを目的としていた。平成24年度は主にこの市民活動のSNSにおけるコミュニケーションについて分析を行った。具体的には、2011年5月19日から12月31日までSNS上にユーザーによって書き込まれた日記とそれに対するコメントのテキストデータを収集し、誰が誰の日記に対してコメントを書き込んだかというコメント付与関係の社会ネットワークと同一の日記にどのような単語(名詞)が一緒に使われていたかという単語間の共起関係ネットワークという2種類のネットワークを抽出した。従来、この社会ネットワークと共起ネットワークのように構成要素も関係性の内容も異なるネットワークは別々のものとしてそれぞれ分析されてきたが、本研究では、誰がどのような単語を日記やコメントの書き込みに使用したかという情報から「使用者中心性得点」という新しい指標を開発し2種類の異なるネットワークを関連づけて分析する手法を用いた。それにより、この市民活動のSNSにおいて活発にコミュニケーションを行っていたユーザーをその使用した語によりいくつかの関心グループに分類し、それらのグループ間でのコミュニケーションの様相を明らかにすることができた。 研究成果については情報処理学会ネットワーク生態学研究会シンポジウムや数理社会学会などで報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題では福島県いわき市で福島第一原子力発電所事故にともなう低線量放射線被曝問題に取り組む市民活動におけるリスクコミュニケーションを研究するが、24年度は主にSNS上におけるコミュニケーションの分析を行ったため、当初予定していた現地での聞き取り調査がほとんど実施できなかった。ただし市民活動メンバーとの接触は維持しラポール形成に努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度に分析を行ったSNSは既に閉鎖されているため、今後は取得済みデータの分析と現地聞き取り調査によるデータ収集を中心に研究を進める。また、いわき市内で放射線問題に取り組んでいる別の団体にも聞き取り調査を行い、それらの団体間の比較を行う。 具体的には「いわきの子供を守るネットワーク」に加え「いわき放射能市民測定室 たらちね」「福島のエートス」などの団体に調査を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度以降は24年度までに取得したSNSのログデータの分析と現地での聞き取り調査を中心に研究を進める計画である。研究費の使途としてはデータ分析用ソフトウェア(Wolfram Research社製Mathematica)の購入や現地調査のための費用(交通費、宿泊費、謝礼など)に充てる計画である。
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