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2014 Fiscal Year Research-status Report

絵画修復と絵画制作に使用される膠の物性に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 24700933
Research InstitutionIndependent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties

Principal Investigator

楠 京子  独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, 研究員 (20609820)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords膠 / 溶解性 / 絵画修復 / 絵画制作 / 剥落止め / 展色材
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、膠の使用感等の官能試験を行うために紙本・絹本絵画を想定して作成した絵具塗布試料を作成し、各膠の接着力や水および有機溶剤への再溶解性、柔軟性について試験を行った。特に、タンパク質を溶解する有機溶剤であるアセトニトリルを用いて、膠を加熱せずに溶解させるための試験を行った。膠に与える水:アセトニトリルの混合比を変えることによって、膠の状態を膨潤から溶解まで調整できることがわかった。同時に、付着性試験(クロスカット法)と測色試験を行いアセトニトリルの使用による膠の接着力変化や顔料の色変化が少ないことを確認した。また、絵画書籍の修復を行っている修復工房の協力を得て修復作業の現場を拝見させていただくとともに、アセトニトリルを修復作業において使用することの可能性と有用性について協議を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

アセトニトリルによる膠の再溶解は、絵画の修復作業において有効であることが確認できた。しかし、アセトニトリル処置後の試料を湿熱劣化させてから接着力試験を行ったところ、アセトニトリル処置の有無によって膠の接着力にわずかではあるが差が認められた。より長期の劣化処置を行ったうえで接着力の変化を検証する必要があることから、当初予定していた試験を年度内に完結することができなかった。

Strategy for Future Research Activity

長期劣化をさせた試料に対して、クロスカット試験およびプルオフ試験による接着力評価を行う。また、研究期間の最終年度にあたるため、これまでの研究成果のまとめを行う。

Causes of Carryover

これまでの実験の結果から、接着力評価試験を行う前に試料を長期間劣化させる処置が必要となり、本年度予定していた試験を次年度に行うこととしたため次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

接着力評価試験の試料作製、プルオフ試験用の機器使用料等に使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 東洋絵画の剥落止めにおけるアセトニトリルの有用性について2014

    • Author(s)
      楠京子、早川典子、的場礼、横堀篤代、山本記子
    • Organizer
      文化財保存修復学会 第36回大会
    • Place of Presentation
      明治大学アカデミオーコモン
    • Year and Date
      2014-06-07 – 2014-06-08

URL: 

Published: 2016-06-01  

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