2012 Fiscal Year Research-status Report
古生物タイプ標本における3Dデジタルアーカイブの構築に関する研究
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24700942
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokushima Prefectural Museum |
Principal Investigator |
辻野 泰之 徳島県立博物館, 自然課, 主任(学芸員) (60372223)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | デジタルアーカイブ / タイプ標本 / 古生物 |
Research Abstract |
古生物タイプ標本(白亜紀アンモナイト)の3Dデジタルアーカイブの構築を目指し、平成24年度は、北海道の三笠市立博物館および中川町エコミュージアム、つくば市にある国立科学博物館の3施設に収蔵されているタイプ標本の写真撮影と3Dスキャンを進めた。3Dスキャンには、ラピットフォーム社のネクストエンジンという3Dスキャナーを活用した。 3施設に収蔵されている58つのタイプ標本について取り扱い、58標本すべての写真撮影を行った。また、3Dスキャニングが困難であるサイズの大きなもの、および形態が複雑なものを除く、47標本の3Dスキャニングを行った。 本研究の目的の一つとして、タイプ標本の所有者および保管場所の追跡調査を挙げている。平成24年度の調査において、記載論文に記述されている保管場所から他の施設へ長期貸し出しされている例などが確認された。今後、さらなる追跡調査が必要である。 将来的にタイプ標本の3Dデータをインターネット上で公開する予定である。しかしながら、インターネット上での公開に際して、3Dデータを汎用性の高いアプリケーションで閲覧可能にすることが大きな課題であった。本研究の申請段階においては、VRMIビューアーでの閲覧を想定していたが、閲覧者にVRMIビューアーを事前にダウンロードしてもらわなければならなかった。これを解決するため、電子媒体として最も汎用性が高いPDFを活用することにした。3Dスキャナーのデータを3D-PDFに変換することで、タイプ標本の3D画像をよりスタンダードなアプリケーションであるアクロバットリーダーで閲覧することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
従来想定していた研究計画に対して、平成24年度の達成度は8割程度と考えている。想定していたよりも標本の3Dスキャニングに時間がかかること、さらに3Dスキャン後のデータ処理が予想以上に難しことが要因にある。
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Strategy for Future Research Activity |
従来想定していたよりも、標本の3Dスキャニングおよびそのデータ処理に時間がかかるため、研究期間内にすべてのタイプ標本の3Dスキャニングや写真撮影が困難である可能性がある。そのため、3Dスキャニングやデータの処理により時間がかかるサイズの大きなもの、また形態が複雑なものは、写真撮影のみを行い、今後、3Dスキャンに適して標本を優先して進めることにしたい。 また、タイプ標本の所有者および保管場所の追跡調査については、次年度も同様に行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
預貯金利息の使用を失念していたため、当該助成金(118円)が発生した。当該助成金(118円)は、次年度において、次年度請求の助成金と合わせて、SDカードやフラッシュメモリーなどのデータ保存のメディアに使用予定である。
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Research Products
(3 results)