2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700961
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白川 龍太郎 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (50581039)
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Keywords | Ral / 低分子量GTP結合蛋白質 / Ras |
Research Abstract |
RalはRasファミリーの低分子量GTP結合蛋白質であり、細胞の増殖、生存、小胞輸送やアクチン細胞骨格の制御など多岐にわたる機能を担っている。哺乳類においては80%の相同性を持つRalAとRalBが存在する。Ralも他のG蛋白質と同様にGTP結合型とGDP結合型の2つのコンフォメーションをとり、GTP結合型で下流のエフェクター分子に結合し機能する。Ralのグアニンヌクレオチド交換因子(RalGEF)の多くはRas結合ドメインを有し、Rasの直接結合により活性化される。すなわち、RalはRasの下流で活性化される。 これまでの知見により、発癌性Rasにより誘導されるヒト細胞の癌化にはRalGEFを介したRalAの活性化が必須であることが示されている。しかしながら、癌化におけるRalA下流の分子機構は未知であった。本課題では癌化に関わるRalAのエフェクター分子を同定し、その作用機構を明らかにすることを目標とした。現在までにラット脳細胞質より、硫安分画、陰イオン交換カラム、RalAアフィニティーカラムを用いキナーゼ活性を有するRalAエフェクター複合体を精製することに成功した。 また、本課題では浸潤性の膀胱癌においてRalGAPα2サブユニットの発現が喪失していることを見いだし、RalGAPの発現低下に伴うRalの活性化が膀胱癌の悪性化に寄与していることを報告した(Saito et al.,Oncogene,2013)。
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