2013 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍環境下の内皮細胞におけるNFATcによる転写活性化機構
Project/Area Number |
24700969
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
末弘 淳一 杏林大学, 医学部, 助教 (80572601)
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Keywords | NFATc / タンパク質相互作用 / in vivo発現解析 |
Research Abstract |
腫瘍環境下の内皮細胞におけるNFATcによる転写活性化機構を明らかにすることを目的として、本年度は ①NFATc結合配列を組み込んだLacZ発現トランスジェニックマウスの作成・解析、②質量分析装置を用いたNFATcタンパク質複合体解析を行った。 ① NFATc結合配列(EGR3プロモーター)を組み込んだLacZ発現トランスジェニックマウスの解析では、前年度に血管内皮特異な活性が確認されていたことから、本年度は癌・浸潤部に見られる炎症を想定し、リポ多糖を全身性に投与したマウスにおいて活性を検討した。その結果、腹腔投与後24時間で、脳、心臓、横隔膜で活性の有意な上昇が観察された。現在、B16F10細胞を用いた固形腫瘍内血管、癌細胞転移先の微小環境における解析を進め、同様の活性の上昇が見られるかを検討している。 ② NFATc抗体を用いたプロテオミクスでは複合体構成タンパク質の同定まで至らなかった。本研究ではタンパク質を網羅的に同定することを目的としていたことから、免疫沈降産物全てを質量分析装置で解析するために、NFATc抗体と磁性ビーズを共有結合する手法を採用していた。しかしながら、NFATc抗体と磁性ビーズを結合させる作業によって抗体の親和性が著しく低下し、クロスリンカーの変更でも改善がみられなかったことが大きな障壁となった。この代替案としてFLAG融合NFATc発現コンストラクトを作製し、抗FLAG M2抗体により免疫沈降を行っており解析を進めている。また、yeast two hybridシステムによる相互作用するタンパク質の同定も進めており、NFATc全長、N末端側(トランス活性化領域)から300アミノ酸残基ごとをクローニングしたコンストラクトを作製し、血管の多い臓器として肺由来cDNAライブラリーを用いたスクリーニングを行っている。
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Research Products
(6 results)