• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

癌の転移におけるC1Dの役割解明と創薬展開

Research Project

Project/Area Number 24700987
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionTokyo Women's Medical University

Principal Investigator

瀧田 守親  東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80533455)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords転移
Research Abstract

本年度はC1Dの基礎解析として、C1Dタンパク質の安定性に対する紫外線(UV)の影響や培養細胞へのUV照射によるサイトカイン遺伝子の発現変動におけるC1Dの関与について検討した。
C1Dタンパク質の安定性に及ぼすUVの影響はヒト子宮頸癌HeLa細胞を用い検討した。HeLa細胞にUVを照射すると30分後の核分画においてC1Dタンパク質は対照に比べ著しく減少していた。さらに、同核分画を用いてショ糖密度勾配遠心分離により、ヌクレオソーム分画を調製したところ、C1Dはヌクレオソーム分画に存在することが明らかになった。UV照射によるC1Dタンパク質の減少はプロテアソーム阻害剤MG132の前処理により、顕著に抑制されることから、C1Dタンパク質はUV照射により、ユビキチン・プロテアソーム系を介して速やかに分解されることが示唆された。
UV照射によるサイトカイン遺伝子の発現変動はHeLa細胞およびヒトリンパ腫由来単球様細胞株U937を用いてqPCR法により網羅的解析を行った。その結果、UV照射により発現が上昇する遺伝子としてIL-8、S100A8他が、発現が減少する遺伝子としてIL-1β他がリストされた。なお、C1D mRNAの発現はUV照射により、減少傾向を示していた。さらに、C1Dの安定化に寄与するTFIIHの構成因子であるXPB遺伝子をsiRNAによりノックダウンすると、IL-8他 mRNAは対照に比べ、UV照射時の発現が増加していた。従って、XPBはC1Dの安定化を介して、UV刺激によるIL-8などの遺伝子の発現を負に制御する可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度はC1Dの基礎解析としてUV照射によるC1Dタンパク質の分解や生化学的手法によりヌクレオソームにおけるC1Dの存在を明らかとし、そのDNA損傷修復過程への関与を示唆する結果を得ることができた。また、培養細胞へのUV照射によるサイトカイン遺伝子の発現変動を網羅的に解析することにより、UVにより発現が顕著に変動する数種類の遺伝子を同定することができ、このうちの一部はC1Dの安定化に寄与するXPB遺伝子によりその発現が制御される可能性が示唆された。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策は次の通りである。(1) C1Dの基礎解析としてUV照射によるC1Dタンパク質の分解機構について、ユビキチン・プロテアソーム系に着目し、各種ユビキチンE3 リガーゼをsiRNAによりノックダウンし、UV照射によるC1Dタンパク質の分解が抑制されるか否かを調べ、C1Dを特異的にユビキチン化するE3リガーゼを特定する。さらに、UV照射によるサイトカイン遺伝子の発現調節におけるC1Dの関与をsiRNAによるノックダウンにより調べ、C1Dにより発現が制御されるサイトカイン遺伝子を特定する。(2) 癌の転移や転移先臓器における転移前炎症性変化におけるC1Dの関与について、マウスB16メラノーマ細胞を用い、in vivoでは尾静脈移入による転移モデルと皮下移植による転移前モデルをそれぞれマウスで作製して解析する。一方、in vitroではB16細胞とマウスマクロファージとの共存培養系を用い、C1Dにより発現が制御されるサイトカイン遺伝子の特定を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度の研究費の使用計画として、生化学試薬(抗体など)の購入を予定している。当該研究費が生じた状況として抗体などの高額な物品を購入するのに十分でなく、次年度に使用することが極めて適当と判断した。

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi