2013 Fiscal Year Annual Research Report
RNAiスクリーニングを用いた大腸癌化学療法効果予測バイオマーカーの探索
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24701011
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
荒川 泰弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80349547)
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Keywords | 大腸癌 / 薬剤感受性 / 薬剤耐性 / RNAiスクリーニング |
Research Abstract |
本研究は RNAi発現レンチウィルスプールを用いて、発現の抑制が大腸癌細胞株(DLD-1)に抗癌剤(イリノテカン)耐性をもたらす遺伝子をスクリーニングし、同定する事が目的である。前年度に行ったスクリーニングで、RNAiを引きおこすレンチウィルスの導入によりイリノテカン耐性となった大腸癌細胞クローンを十数個得た。 イリノテカン耐性クローンに導入されたウィルス配列をシークエンスし、発現抑制のターゲットとなっている遺伝子をデータベース上で検索した。さらに、各イリノテカン耐性クローンにおいて、どの程度標的遺伝子が発現抑制されているかリアルタイムPCRを用いて検討した。また、各標的遺伝子の発現を特異的に抑制する二本鎖RNAを別途作成し、カチオン性脂質で大腸癌培養細胞に導入する事により、イリノテカン耐性が引きおこされることも検討した。結果として、発現抑制が大腸癌細胞株にイリノ テカン耐性をもたらす3つの遺伝子を同定する事ができた。 このうち、ヒストンメチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子について、発現の抑制が細胞生存、細胞増殖、細胞周期に与える影響を検討した。二本鎖RNAをもちいた遺伝子抑制により細胞増殖の軽度の遅延とS期の細胞の減少が見られた。また、このヒストンメチルトランスフェラーゼの発現抑制によりイリノテカン耐性がもたらされるのは、イリノテカン投与による細胞のアポトーシスが抑制されることが原因となっていると示唆された。現在、研究結果を投稿準備中である。
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