2013 Fiscal Year Research-status Report
甲状腺癌抗原の解明と、半導体による癌抗原血液検査法の新規開発
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24701012
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤岡 宏樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90392381)
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Keywords | 甲状腺癌 / 血液検査法 / 癌抗原 / スクリーニング / フィブロネクチン / 質量分析 |
Research Abstract |
本研究は、1. 甲状腺癌を特異的に認識する抗体(JT抗体)を用いて、癌抗原の分子構造を解明すると共に、2. 蛍光半導体とJT抗体による「癌抗原血液検査法」の開発を目的としている。本法の開発によって、現行の甲状腺癌の血液検査法の課題を克服し、血液による甲状腺癌のスクリーニングに貢献することを目指す。 平成25年度は、JT抗体が認識する抗原の解明に取り組んだ。これまでの報告では、ウエスタンブロッティング法を使って、250kDa付近と120kDa付近に抗原が同定されており、糖鎖が結合したフィブロネクチンが抗原の一つとして知られていた。今回、甲状腺癌細胞株の培養上清に対して、JT抗体を使った免疫沈降を行い、質量分析を行なった結果、別の分子についても候補として検出された。次年度に詳細な解析を進め、新たな抗原の有無についての検討を行なう。 また、血液検査法で使用されているJT抗体のビオチン化手法を使い、甲状腺乳頭癌の組織に含まれる抗原が迅速に免疫染色できることを論文で報告した(Fujioka K, Bioimages, 2013)。将来的に、甲状腺癌の穿刺細胞診での使用や、組織からの抗原同定に役立つ可能性がある。 さらに、平成24年度から継続して、血液検査法の開発を目的とした臨床研究を進めてきた。測定手法の検討によって、より少量の血液で測定が可能になることを見いだしている。本年度から半導体検査法をより安全に使用するための調査も進めており、今後、詳細な解析を進め、本手法の有効性を調査、報告する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
質量分析を使った新たな抗原候補の同定を完了し、更に、本研究成果を使った血液検査法の臨床研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに同定された抗原について確定すると共に、臨床研究の成果をまとめ、本研究手法の有効性を調査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質量分析後の抗原同定に使用する予定であったが、質量分析に使用する抗原の収集に予定より時間がかかり、同検討を次年度に行なうことになったため。 抗原同定のための試薬購入に使用する。
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[Journal Article] Investigation of the Biotinylation Method for Detecting Thyroid Carcinoma-specific IgM Antibodies and the Detectability of Carcinoma Cells.2013
Author(s)
Fujioka, K., Oikawa, T., Takeyama, H., Usui, R., Nomura, M., Tomaru, K., Ikeda, K., Manome, Y.
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Journal Title
Bioimages
Volume: 21
Pages: 1-5
DOI
Peer Reviewed
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