2012 Fiscal Year Research-status Report
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24701013
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
坂井 和子 近畿大学, 医学部, 助教 (20580559)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | バイオマーカー |
Research Abstract |
(1) EML4-ALK融合遺伝子測定系のマルチプレックス化の検討: EML4-ALK融合遺伝子のマルチプレックス化を試みた。EML4-ALK融合遺伝子の9種のバリアントのマルチプレックス測定用プライマーをデザインし測定系の検証を行ったが、プライマー相互作用によりマルチプレックス化が困難であった。そのため、EML4-ALK融合遺伝子の主たるバリアントであるバリアント1、2、3に絞ったマルチプレックス測定系を構築した。 (2) 血清検体でのEML4-ALK測定条件の最適化: まず、血清からのRNA抽出条件として、TRIzol法とカラム法を検討した結果、収量と操作安定性の観点からカラム法を選択した。血清由来RNAの逆転写反応には、組織検体で用いたRandom Hexamerではなく、ALK特異的プライマーを使用した。最終的に、血清由来RNAを鋳型としたEML4-ALK融合遺伝子の検出には、逆転写反応用プライマーとしてALK特異的プライマーを用い、One-Step RT-PCRによる目的部位の増幅を行うことで検出が可能となった。 (3) 血清を用いた測定実施のための準備: EML4-ALK陽性患者の血清の収集のため、試料提供機関である癌研有明病院呼吸器センターおよび測定機関である近畿大学医学部に申請、承認された研究計画に基づき、蛍光in situハイブリダイゼーションによる12名のEML4-ALK陽性患者および12名のEML4-ALK陰性患者の血清の収集を行った。 (4) 血清検体の測定: (2)で検討した手法を用いて、血清検体での測定を実施した結果、EML4-ALK陽性患者の血清からバリアント1(1/12)およびバリアント3a(1/12)を検出した。検出されたEML4-ALK融合遺伝子は、サブクローニングとダイレクトシークエンスにより確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、血清由来RNAを鋳型としたEML4-ALK融合遺伝子の検出系を確立し、実際に臨床検体を用いた測定を実施した。その結果、蛍光in situハイブリダイゼーションにより決定されたEML4-ALK陽性患者の患者血清からEML4-ALK融合遺伝子を検出した。本年度の研究計画に対する目標は達成しており、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
EML4-ALK陽性患者の患者血清から検出されたEML4-ALK融合遺伝子の割合は、12例中2例と低いものであった。血清中に遊離している腫瘍由来RNAが微量かつ不安定であることが一因と考えられるため、血清からのRNA抽出法として磁性ビーズを用いた抽出RNAの収量の改善を図る。また、患者血清とペアの組織検体を用いて組織検体でのEML4-ALK融合遺伝子検出の一致率を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
RNA抽出法の改善を図るため、磁性ビーズによる抽出法の検討を実施する。また、組織検体でのEML4-ALK融合遺伝子の検討を行い、血清中での検出検体との比較を行う。
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Research Products
(3 results)