2013 Fiscal Year Annual Research Report
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24701014
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
中尾 香菜子 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (30583059)
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Keywords | CEA / 糖鎖修飾 / 腫瘍マーカー / プロテオーム |
Research Abstract |
平成24年度は、数種類の臓器由来の培養癌細胞を用いて、CEAの発現様式、糖鎖修飾部位について検証した。その結果、CEAは由来臓器や細胞株ごとに異なった糖鎖修飾を有することが示唆された。さらに、LC-MS/MS解析により、CEAのN結合型糖鎖修飾予測部位のうち、新たに6箇所の同定に成功した。また、消化器癌由来細胞株において新規のCEAスプライスバリアントおよびバリアント由来CEAアイソフォームたんぱく質が存在すること、そしてCEA関連分子の1つが甲状腺髄様がん由来細胞株特異的に発現することを発見した。 最終年度となる平成25年度は、CEAの培養上清中への分泌型に着目した研究を行った。前年度に新たに同定した2種類の新規CEAアイソフォームは、野生型と同様、培養上清中へと分泌されていることが明らかとなった。また、同時に、ある種の臓器癌では、野生型に対するアイソフォームの発現・分泌量が多いことが確認されており、CEAアイソフォームの発現・分泌量のバランスが癌種ごとで異なる可能性が予測された。CEAアイソフォームは、細胞接着や他分子との相互作用に重要なドメインの一部が欠損しているため、癌細胞における機能が、野生型と異なると考えられる。CEAを発現する多くの細胞株では、野生型とアイソフォームを共発現・共分泌しているものがほとんどであるため、今後は、それぞれを単独に発現する安定発現株を構築し、機能への影響を検証していく予定である。 CEAの臓器特異性を検証するにあたり、当初は糖鎖修飾に焦点をあて、研究を行っていたが、糖鎖修飾をはじめとする翻訳後修飾だけでなく、CEAアイソフォームや相同性の高いCEACAMファミリー分子の発現・分泌、それら全てを検証する必要性があることが明らかとなった。今後、CEAの腫瘍マーカーとしての新たな局面を切り開くことを目標として、さらなる研究を行っていきたい。
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Research Products
(4 results)